大人気シリーズでありながら、入り組んだ時系列が複雑で観るべき順番がわかりにくいと言われている【X-MEN】シリーズ。
【X-MEN】シリーズの時系列が複雑な理由のひとつは、旧三部作と新シリーズと呼ばれる2つの時間軸が存在することにあります。 2000年に公開された第1作目【X-MEN】にはじまる旧三部作は、実質的にウルヴァリンを主人公としており、X-MENはすでに結成され、プロフェッサーXやマグニートーは老年期を迎えています。 新三部作の始まりとなった『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(2011)では、若き日のプロフェッサーXとマグニートーを中心に据え、X-MENが本格的に始動するまでの日々が描かれました。その2作目以降は、ウルヴァリンが加入する前の若きX-MENたちの活躍が描かれています。
新三部作は旧三部作の前日譚ですが、新三部作の2作目【X-MEN:フューチャー&パスト】が、シリーズの時系列をややこしくしています。この作品で過去を変えたことで未来が変わり、旧三部作につながらない部分ができてしまいました。 さらに、新シリーズがはじまった後に旧三部作の時間軸からつながるウルヴァリンのスピンオフが公開されたのも、混乱の原因ではないでしょうか。
時系列を簡単にまとめると…
- フューチャー&パストの過去パートでウルヴァリンが過去を変えたため、新たな時間軸が生まれた。
- X-MEN~ファイナルディシジョン、ウルヴァリン: X-MEN ZERO、ウルヴァリン: SAMURAIが無かった事に。
- 新しい時間軸での出来事はアポカリプス、ダーク・フェニックス、ローガン。
調べだすとX-MENはちょこちょこ矛盾が出てくるし、この先はディズニーに買い取られたのでどうなるのかも分かりませんし細かいことは考えないで作品を楽しもうと思いました(笑)
みなさんも深くは考えないで最初は公開順で鑑賞すればいいと思います。
(※ネタばれしない程度に紹介します。)
【X-メン】(2000)
評価★3.5 おすすめ度80
監督:ブライアン・シンガー 脚本:デヴィッド・ヘイター
出演者:ヒュー・ジャックマン、パトリック・スチュワート、イアン・マッケラン、ファムケ・ヤンセン、ジェームズ・マースデン、タイラー・メイン、アンナ・パキン、ハル・ベリー、レベッカ・ローミン、ブルース・デイヴィソン、レイ・パーク、ショーン・アシュモア、マシュー・シャープ
旧3部作の第1作目。
ストーリー
200X年。人類は新たな『差別法案』の立法化を目指していた。それはDNAの突然変異により超人的なパワーを持つ“進化した人類=ミュータント”を社会から合法的に迫害するものだった。人類との共存を目指すプロフェッサーX率いるミュータント集団X-MENは、人類の滅亡をもくろみテロ活動を企てるマグニートーたちと全面対決に突入していく!
解説
近年のアメコミ映画と比べるとバトルシーンなどが地味に感じられますが、2000年当時の撮影技術を考慮するとかなり頑張った方で、今現在でも全然観れる作品だと思います。
各キャラの個性や能力が面白くて最後まで飽きずに見ることができるのですが、その中でも特にウルヴァリンの存在感は桁違いです。この作品からヒュー・ジャックマンが一気にスターダムを駆け上がったのも納得できます。
ミュータントの持つ特殊能力に対する差別や妬みが丁寧に描かれていて、他のヒーロー映画に比べると物語に深みを感じます。ユーモア溢れるシーンも多く、展開もとても楽しめる内容になっているので是非ヒーロー映画が好きな方には観て欲しい作品です。
【X-MEN2】(2003)
評価★3.5 おすすめ度80
監督:ブライアン・シンガー 脚本:マイケル・ドハティ、ダニエル・P・ハリス、ブライアン・シンガー
出演者:パトリック・スチュワート、ヒュー・ジャックマン、イアン・マッケラン、ハル・ベリー、ファムケ・ヤンセン、ジェームズ・マースデン、レベッカ・ローミン、アラン・カミング、アーロン・スタンフォード、アンナ・パキン、ブルース・デイヴィソン、ブライアン・コックス、ケリー・フー、ショーン・アシュモア、ケイティ・スチュアート、ピーター・ウィングフィールド、コナー・ウィドウズ、コッター・スミス、ロジャー・R・クロス、タイ・オルソン、スティーヴ・ベーシック、ジェームズ・カーク
旧3部作の第2作目。
ストーリー
マグニートーによる人類抹殺計画の野望を未然に防ぐことに成功したX-MEN。無意味な争いは終結するかに見えた。しかし、彼らの孤独な戦いは、凄まじい能力を持つ謎の襲撃者の出現によって更に混迷の度合いを深めていく。能力者同士の衝突は、一般市民をも巻き込んだ惨劇となり、ミュータント登録法案を求める政治運動や、世論を一気に呼び起こした。
解説
シリーズの根幹にある『人類とミュータントの関係』について1作目以上に深く切り込んだ、音楽も演出も全てがスケールアップを感じられる理想的な続編になっています。
この辺りから各キャラがちゃんと活躍するシリーズというよりもウルヴァリン一強のシリーズに方向転換した気がしました。ウルヴァリンの過去の謎が少しずつ明らかになってきたり、アクションシーンが前作に比べてかなりグレードアップしたので見応えがあります。
1からの続きなので登場人物はあまり変わりませんでしたがなので恋に発展したり、複雑な関係が続いていたりなどミュータントとしてのアクションだけでなく彼らなりの苦悩や人間関係との進展も見どころです!
全てにおいて前作よりもパワーアップしている今作、新ミュータントの登場だったり、恋に発展したり、複雑な関係が続いていたりなどミュータントとしてのアクションだけでなく彼らなりの苦悩や人間関係との進展など、物語のテイストも面白いです。
【X-MEN: ファイナル ディシジョン】(2006)
評価★3.5 おすすめ度80
監督:ブレット・ラトナー 脚本:ザック・ペン、サイモン・キンバーグ
出演者:ヒュー・ジャックマン、ハル・ベリー、パトリック・スチュワート、ジェームズ・マースデン、ベン・フォスター、ファムケ・ヤンセン、イアン・マッケラン、レベッカ・ローミン、アンナ・パキン、ショーン・アシュモア、アーロン・スタンフォード、ダニエル・クドモア、ケルシー・グラマー、ヴィニー・ジョーンズ、マイケル・マーフィ、ダニア・ラミレス、エリック・デイン、キャメロン・ブライト、エリオット・ペイジ(エレン・ペイジ)、ショーレ・アグダシュルー、ケン・レオン、オマイラ、ジョセフ・ソマー、ビル・デューク、エイドリアン・ハフ、アンソニー・ヒールド、オリヴィア・ウィリアムズ、コナー・ウィドウズ
旧3部作の第3作目。
ストーリー
時は20年前。ジーン・グレイは、プロフェッサーXに底知れない能力を見出され、それを操るべく彼女の居場所を与えた。その10年後、とある大企業の社長ワージントンの息子が思春期を迎え、背中に翼が生え始めた。ワージントンは、息子を『普通の人間』に戻そうと、ミュータント治療薬『キュア』を作り上げる。ミュータントであることは”病気”なのか…。
解説
出てくる新ミュータントの数も多くて、ストーリーも1、2の要素も盛り込んであって見応えがあります。
今回はミュータントととしての苦悩ではなく彼らなりの使命、目的をしっかりと見つけ出していて、ようやく追いつき始めた映像技術でミュータント達の能力描写に磨きがかかり、本気のアクション、CGが観れると思います。
話の内容がスケールアップされ少し駆け足だった気もしますが、設定やストーリー展開がめちゃめちゃ社会性が強くて面白いです。
監督が代わったからなのか色々とツッコミどころはありますが、作品の雰囲気は壊れてないので楽しめると思います。
【ウルヴァリン: X-MEN ZERO】(2009)
評価★3.5 おすすめ度80
監督:ギャヴィン・フッド 脚本:デヴィッド・ベニオフ、スキップ・ウッズ
出演者:ヒュー・ジャックマン、リーヴ・シュレイバー、リン・コリンズ、ダニー・ヒューストン、テイラー・キッチュ、ライアン・レイノルズ、ウィル・アイ・アム、ダニエル・ヘニー、ドミニク・モナハン、ケヴィン・デュランド、ジュリア・ブレイク、マックス・カレン、トロイ・シヴァン、マイケル=ジェームズ・オルセン、アーロン・ジェフリー、ピーター・オブライエン、アリス・パーキンソン、スティーヴン・リーダー、アッシャー・ケディー、ハキーム・ケイ=カジーム、アンソニー・ジー、アデレイド・クレメンス、ティム・ポコック、タヒーナ・トッツィ、パトリック・スチュワート
ウルヴァリン3部作の第1作目。
ストーリー
ミュータントとして生まれたローガンは、少年時代、その能力が覚醒。以来、人としての幸せを捨て、幾多の戦争に身を投じて生きてきたが、ケイラという女性と出会い、初めて人間として生きる喜びを知る。だが、ある日突然彼女は殺されてしまう。深い絆で結ばれていたはずのローガンの兄ビクターの手によって。兄を倒すため謎の巨大組織と取引したローガンは、最強の戦士となるべく、超金属アダマンチウムを全身の骨に移植する改造手術をうけ、『ウルヴァリン』という名の人間兵器に生まれ変わる。
解説
結局【X-MEN】シリーズで1番魅力があるのってウルヴァリンの圧倒的な存在感なんですよ。旧3部作で傷付いて傷付いて痛みに耐えに耐え、ボロボロになりながらも力強く前に進んでいく。そんな彼の姿に観客は心を奪われたのです。今作はそんなウルヴァリンの魅力が最大限に炸裂した1作になっています。
特筆すべきなのはウルヴァリンの肉体。シリーズ全作を通してヒュー・ジャックマンの肉体がスゴいのですが、特にこの作品の筋肉は半端ないです。本当に強そうな獣のように鋭くワイルドな顔つきも含めて、もうヒュー・ジャックマン=ウルヴァリン、そのくらいのハマり役です。
内容はこれでもかというくらいにバトルに特化したX-MEN作品です。とにかく色々なミュータントが登場してはバトルを繰り広げていくの繰り返しです。CG技術も上がっているので今観ても全く見劣りしないアクションに仕上がっています。それでも内容が薄い訳ではなくしっかり興奮するしめちゃくちゃ楽しめます。ラストバトルも旧3部作のどの作品よりもカタルシスを感じられると思います。
【X-MEN: ファースト・ジェネレーション】(2011)
評価★3.8 おすすめ度85
監督:マシュー・ヴォーン 脚本:マシュー・ヴォーン、ジェーン・ゴールドマン
出演者:ジェームズ・マカヴォイ、マイケル・ファスベンダー、ケヴィン・ベーコン、ローズ・バーン、ジャニュアリー・ジョーンズ、オリヴァー・プラット、ジェニファー・ローレンス、ニコラス・ホルト、ゾーイ・クラヴィッツ、ルーカス・ティル、ジェイソン・フレミング、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、エディ・ガテギ、アレックス・ゴンザレス、ローレンス・ベルチャー、ビル・ミルナー、グレン・モーシャワー、マット・クレイヴン、レイ・ワイズ、マイケル・アイアンサイド、ドン・クリーチ、ヒュー・ジャックマン、レベッカ・ローミン、デミトリ・ゴリツァス、レイド・サーベジヤ、ジェームズ・レマー、ベス・ゴダード、サーシャ・ピーターズ、モーガン・リリー
新3部作の第1作目。
ストーリー
国際情勢が緊迫する1960年代、強力なテレパシー能力を持つ青年チャールズが、金属を自在に操れるエリックとめぐり合う。異なる信念を抱きながらも友情を深めたふたりは、世界各地のミュータントを仲間に迎え入れていく。しかし戦時中にエリックの母親を殺した元ナチスの科学者セバスチャンが、ミュータント集団“ヘルファイアークラブ”を結成。やがてセバスチャンが悪魔のごとき計画を実行に移した。
解説
アクション面とメッセージ面のバランスを上手く両立させていて、それまでの【X-MEN】シリーズの中でもかなり完成度の高い1作になっています。
今回の1番の見どころは、プロフェッサーXとマグニートーの関係が明らかになるところです。【X-MEN】シリーズにとって1番必要不可欠な作品は、間違いなくこの作品で、この作品のおかげで旧3部作が再評価されると思います。旧3部作のことを考えると設定的な矛盾が沢山出てくるのですが、あまり気にしないことをオススメします。そうすれば今までの登場キャラクターの苦悩や過去が分かることで大幅に理解が深まると思います。
今回の作品は普通のアメコミアクション映画とは異なりかなり濃厚なドラマ映画になっています。もちろんアクションシーンも沢山ありますが、どちらかと言うとドラマシーンの方が濃厚です。ここら辺がウルヴァリンに頼らずに作られた新しいX-MENらしさだと思います。
【ウルヴァリン: SAMURAI】(2013)
評価★2.9 おすすめ度75
監督:ジェームズ・マンゴールド 脚本:マーク・ボンバック、スコット・フランク
出演者:ヒュー・ジャックマン、TAO(岡本多緒)、福島リラ、真田広之、スヴェトラーナ・コドチェンコワ、ブライアン・ティー、ハル・ヤマノウチ、ウィル・ユン・リー、山村憲之介、ファムケ・ヤンセン
ウルヴァリン3部作の第2作目。
ストーリー
カナダで隠遁生活を送っていたウルヴァリンは、かつて命を救った旧友である大物実業家の矢志田に請われて日本を訪れる。しかし、東京での再会後まもなく、病魔に冒された矢志田は死亡してしまう。その葬儀に参列したウルヴァリンは、謎の組織に襲われた矢志田の美しい孫娘マリコを救い、逃避行のさなかに恋に落ちる。しかし、何者かの罠により治癒能力を失ったウルヴァリンは、心身に凄まじいダメージを負い、初めて“限りある命”と“死”を意識することになる。
解説
刀✖️ヴルヴァリンの爪のアクション。舞台が日本で、ヴルヴァリンが戦う人も日本人で、刀やヤクザといった日本特有のもので、それがハリウッドのキャラクターと命を懸けた戦いを繰り広げるところがとてもカッコよく、アクションシーンは全体的に凄いです。
日本で撮影をしているとこともあって、東京、日本のお葬式、まさかの宮崎まで細かく写していて、日本人としてはすごく嬉しい気分になります。しかし、日本人なのに喋り方が不自然だったりと多少「ん?」ってなる部分は多かったのですがハリウッドが日本を中心に描いてくれて新鮮味もあって最高です。
【X-MEN: フューチャー&パスト】(2014)
評価★3.8 おすすめ度85
監督:ブライアン・シンガー 脚本:サイモン・キンバーグ、ジェーン・ゴールドマン、マシュー・ヴォーン
出演者:ヒュー・ジャックマン、ジェームズ・マカヴォイ、マイケル・ファスベンダー、ハル・ベリー、アンナ・パキン、エリオット・ペイジ(エレン・ペイジ)、ピーター・ディンクレイジ、イアン・マッケラン、パトリック・スチュワート、ジェニファー・ローレンス、ニコラス・ホルト、ショーン・アシュモア、オマール・シー、エヴァン・ピーターズ、ダニエル・クドモア、ファン・ビンビン、ブーブー・スチュワート、ファムケ・ヤンセン、ルーカス・ティル、ジェームズ・マースデン、マーク・カマチョ、マイク・ドプド
新3部作の第2作目。
ストーリー
2023年、バイオメカニカル・ロボット『センチネル』によって地球は壊滅へと向かっていた。プロフェッサーXは宿敵のマグニートーと手を組み、1973年にウルヴァリンの『魂』を送り込み危機の根源を絶とうとする。50年前の自分の肉体に宿り「センチネル・プログラム」の開発を阻止しようとするウルヴァリン。しかしその間も、2023年では暴走するセンチネルの過酷な攻撃で、地球滅亡へのカウントダウンが進んでいた。
解説
旧3部作のキャラと新3部作のキャラを共演させ、お祭りコンセプトの作品。なので設定的に無理がありすぎる(特に未来パート)のですが、そう言ったツッコミどころも含めて、実質【X-MEN】シリーズの集大成的お祭り作品として楽しんでほしいです。
前作のファースト・ジェネレーションよりは少なめではありますが、アクションも派手で迫力があります。かなりお金が掛けられてるかいがあり、CGも凝ってるしダイナミックです。
やっぱりウルヴァリンがいいですね。何でしょうかこの安心感は。今回のウルヴァリンは今までのような戦闘面での安心感ではなく、精神面での安心感を与えてくれます。過去作やスピンオフシリーズを通して圧倒的なヒーローになったウルヴァリンが、新3部作を引っ張っていくチャールズの背中を押す構造それ自体が、シリーズのバトンをヒュー・ジャックマンからジェームズ・マカヴォイに渡しているように思えて感動しました。
【X-MEN】シリーズを観て愛してきた人々にとっては、これほどまでに多幸感を味わえる作品はないと思います。X-MEN好きの方は必ず鑑賞することをオススメします。
【X-MEN: アポカリプス】(2016)
評価★3.7 おすすめ度85
監督:ブライアン・シンガー 脚本:サイモン・キンバーグ
出演者:ジェームズ・マカヴォイ、マイケル・ファスベンダー、ジェニファー・ローレンス、ニコラス・ホルト、オスカー・アイザック、ローズ・バーン、エヴァン・ピーターズ、ジョシュ・ヘルマン、ソフィー・ターナー、タイ・シェリダン、ルーカス・ティル、コディ・スミット=マクフィー、ベン・ハーディ、アレクサンドラ・シップ、ラナ・コンドル、トーマス・レマルキス、スタン・リー、ヒュー・ジャックマン、オリヴィア・マン
新3部作の第3作目。
ストーリー
紀元前3600年のエジプト。『アポカリプス』として君臨する、人類史上初のミュータント、エン・サバ・ヌールが、ピラミッドで新たなミュータントの肉体へ転移しようとしていた。しかし、反乱が起こりピラミッドは崩壊。アポカリプスは瓦礫の下で永い眠りにつく。1983年。アポカリプスは目を覚まし、核兵器まで製造し堕落した人類に怒りを募らせる。マグニートーら4人のミュータント“黙示録の四騎士”を集めたアポカリプスは、強力なパワーで各国から核兵器を葬り、世界を滅ぼし再構築し始める。
解説
全体のストーリー構成はヒーロー映画のお約束のオンパレードです。各々の正義を貫くために対立していた登場人物達が、ある強大な敵を前に協力して一丸となって闘う。「お前は1人だが我々は1人じゃない」というお約束なセリフ、これまでの【X-MEN】シリーズを観てきた者としては、この言葉が出るまでにどれだけの苦悩があったかを思い出して涙が出そうになります。
本作は【X-MEN】シリーズの中で初めていい意味で主人公がいない作品に思えました。どのキャラクターが欠けても成立しなかっただろうし、それだけ各キャラクターの活躍がしっかり描かれていてチームとしての意識を強く感じました。
【X-MEN】シリーズでアクションやCGのクオリティが1番高いと思います。特殊能力の魅せ方も上手く最後の総力戦も楽しめ、内容も悪くないし、140分弱ある作品だけど、そんなに長く感じずに最後まで楽しめると思います。
シリーズ全体の評価や興行成績を見るとそれほど人気が高い方ではない本作ですが、個人的にはこれまでの作品の中で1番感動した作品でした。
【LOGAN/ローガン】(2017)
評価★4.0 おすすめ度90
監督:ジェームズ・マンゴールド 脚本:マイケル・グリーン
出演者:ヒュー・ジャックマン、パトリック・スチュワート、ダフネ・キーン、ボイド・ホルブルック、スティーヴン・マーチャント、リチャード・E・グラント、エリック・ラ・サール、エリゼ・ニール、クインシー・ファウス、アル・コロネル、フランク・ガレゴス、アンソニー・エスコバル、レイ・ガジェゴス、クシシュトフ・ソシンスキー
ウルヴァリン3部作の第3作目。
ストーリー
すでにミュータントの大半が死滅した2029年。長年の激闘で心身共に疲弊しきったローガンはもはや不死身の存在ではなく、リムジンの運転手として日銭を稼ぎ、メキシコ国境近くの廃工場で年老いたチャールズ・エグゼビアの面倒を見ながら暮らしていた。ある日、ローガンはガブリエラという女性から、ローラという謎の少女をノースダコタまで送り届けてほしいと依頼される。
解説
終始陰鬱な雰囲気が付き纏うヴァイオレンスアクションにして、家族の愛を描いた感動作。
今まで憧れの対象だったウルヴァリンの能力が、現実的にはどれほど辛く悲しいものなのかが丁寧に描かれます。哀愁漂うローガンと弱ったプロフェッサーX、アメコミ映画らしくない雰囲気の人間ドラマのような作品。
アクションシーンはアポカリプスの時のようなCG全開ではなくアクション主体で迫力があり、暴力表現も血飛沫が飛び散り、首も腕も切断しまくりで、ウルヴァリンらしく激しいアクションに満足です。
本作は何度も見返したいような単純な娯楽作品ではありません。苦しくなるシーンも沢山あります。しかし、それでも素晴らしい作品に間違いありません。映像の作り方1つ1つ、演出の1つ1つが本当に素晴らしいです。子役の野生な顔つきや痺れるほど迫力のあるアクションシーンなど見どころも沢山あります。X-MEN好き、ウルヴァリン好き、ヒュー・ジャックマン好きならば必ず見て頂きたい作品です!
【X-MEN: ダーク・フェニックス】(2019)
評価★3.4 おすすめ度80
監督:サイモン・キンバーグ 脚本:サイモン・キンバーグ
出演者:ソフィー・ターナー、ジェームズ・マカヴォイ、マイケル・ファスベンダー、ジェニファー・ローレンス、ニコラス・ホルト、コディ・スミット=マクフィー、タイ・シェリダン、アレクサンドラ・シップ、ジェシカ・チャステイン
ストーリー
アポカリプスから人類を救う戦いから10年。サイコキネシスとテレパシーの特殊能力をもつミュータントであるジーンは、宇宙でのミッションで起きた事故が原因で自分の中のダークサイドが増幅し、制御不能になってしまう。そして、彼女の内に封じ込められていたもう一つの人格〈ダーク・フェニックス〉が解き放たれ、地上の生命体が全滅しかねない危機が訪れる。
解説
超能力vs超能力みたいな派手なアクションは今作そこまでありませんが、最初の交通事故や各人の能力の見せ方が上手い列車でのアクションなど見せ所もいくつかあります。
相変わらずマイケル・ファスベンダーのマグニートーは最高にカッコいいのですが、作品に出るたびに何かしら悲しい事が起こるマグニートーが可哀想です。
ストーリーは展開が早く、過去作を観ていれば分かりやすい内容で 上手くまとめていると思います。
特殊能力を持ってるけど、どんな人間よりも人間らしいところがこの映画の魅力かと思います。
まとめ
20世紀フォックスがディズニーに買収され、X-MENの映画化権がディズニー傘下のマーベルに移ることになるので、フォックスのX-MENの映画は【X-MEN:ダーク・フェニックス】をもって終了となりました。
色々と、ツッコミ所が多いフォックスの【X-MEN】シリーズでしたが、2000年に【X-メン】が成功しなければ、今のアメコミヒーロー映画ブームは無かったかもしれませんので、アメコミ映画史において【X-MEN】シリーズは偉大な足跡を残したと思います。
いつかX-MENはMCUに参加するかもしれないので、それまで期待して待ちたいと思います。
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