2013年に始まったホラー・オカルトシリーズ【死霊館】は、超常現象研究家のエド&ロレイン・ウォーレン夫妻が遭遇した実際の事件をもとに製作されています。
ホラーとしての魅力もたっぷりありつつ、ミステリー要素もあることからシリーズ内の他作品との繋げ方も上手く、一気観したくなるホラーシリーズ作品です。変にネタバレをくらったりしますので、始めて観る時は公開順で、おさらいする際には時系列順で楽しむのがおすすめです。
1作目の【死霊館】からその続編、そこから派生したスピンオフ作品まで、【死霊館】シリーズを公開順でネタバレしない程度に紹介します。
【死霊館】(2013)
評価★3.6 おすすめ度84
監督:ジェームズ・ワン 脚本:チャド・ヘイズ、キャリー・ヘイズ
出演者:ヴェラ・ファーミガ、パトリック・ウィルソン、リリ・テイラー、ロン・リヴィングストン、シャンリー・カズウェル、ヘイリー・マクファーランド、ジョーイ・キング、マッケンジー・フォイ、カイラ・ディーヴァー、シャノン・クック
ストーリー
1971年、ロードアイランド州ハリスヴィル。人里離れた一軒家に引っ越してきたペロン一家は、その翌朝から数々の怪現象に襲われる。“何か”の存在を確信した妻は、超常現象研究家のウォーレン夫妻に助けを要請。夫妻は家の由来を調べ、不気味な事実を知る…。
解説
これが実話だという恐怖。作られたような内容とは違い、リアルさを再現した演出になっています。悪魔払いという作風でありながら、幽霊描写にも富んでいる事が個人的に本作の好きな部分です。
この後にこれが起こるだろうという予測を裏切る展開が待っていて、終盤は特に予測が出来ず、息を呑む場面が多かったです。自分の中で米映画のホラーは目に見える恐怖から逃げるという印象でしたが、本作を見て印象が大きく変わるきっかけとなりました。
ホラー映画としての恐怖感がしっかり描かれた上で、家族ドラマとしての温かみも感じられるホラー映画だと思います。
【アナベル 死霊館の人形】(2014)
評価★3.2 おすすめ度76
監督:ジョン・R・レオネッティ 脚本:ゲイリー・ドーベルマン
出演者:アナベル・ウォーリス、ウォード・ホートン、トニー・アメンドーラ、アルフレ・ウッダード、ケリー・オマリー、ブライアン・ホウ、エリック・ラディン、イヴァル・ブロガー、ジェフ・ウェナー、ガブリエル・ベイトマン、シャイロ・ネルソン、サッシャ・シェルドン、カムデン・シンガー、ロビン・ピアソン・ローズ
ストーリー
夫のジョンから、アンティークの人形をプレゼントされたミア。だが、カルト教団の信者である女が家に侵入し、その人形を手に自殺する事件が起きる。それを機に、人形をめぐって奇怪な現象が続発するように。人形を捨て、アパートへと越したミアたちだが…。
解説
ただ怖いだけじゃなく、バックグラウンドとか、悪魔の設定とかがしっかりしていて面白い作品です。
日本ではあまり知ることの出来ないオカルトの世界を知るという意味では凄く適した映画かもしれません。身代わりのシーンは特に、日本では浸透していない考え方だなと思います。
恐怖心の煽り方がとても上手で伏線の立て方、画面の構図、バックミュージック、恐怖を煽るセンスがとても感じる作品でした。
【死霊館 エンフィールド事件】(2016)
評価★3.7 おすすめ度85
監督:ジェームズ・ワン 脚本:チャド・ヘイズ、キャリー・ヘイズ
出演者:ヴェラ・ファーミガ、パトリック・ウィルソン、フランセス・オコナー、マディソン・ウルフ、サイモン・マクバーニー、フランカ・ポテンテ、ローレン・エスポジート、ベンジャミン・ヘイ、パトリック・マコーリー
ストーリー
1977年、ロンドン北部の町エンフィールド。古い家に住むシングルマザーと4人の子供たちは、怪奇現象に悩まされていた。どうやら前の住人であった老人の霊が、次女ジャネットに取り憑いた模様。依頼を受けた心霊研究家ウォーレン夫妻は、救助に乗り出すが…。
解説
英国で起きたエンフィールド事件を題材としており、前作に続き心霊研究家であるウォーレン夫妻が事件を調査していく内容となっているが、前作で未回収だった謎も解き明かされるサスペンス要素も見どころとなっております。
心霊現象に関して言うと、前作よりも誇張的な印象を受けるが、個人的にホラー映画として前作よりも怖さが増していると思います。又、エド・ウォーレンがギターを弾く場面をはじめとする、夫妻とホジソン一家の交流場面は、心が温まるシーンもあります。
ホラー映画でありながらも、鑑賞後には晴れやかな気分にもなれる家族映画でもあり、そのバランスの良さと質の良さ、前作が好きなら、本作も大いに楽しめる良い続編になっていると思います。
【アナベル 死霊人形の誕生】(2017)
評価★3.5 おすすめ度82
監督:デイビット・F・サンドバーグ 脚本:ゲイリー・ドーベルマン
出演者:ハビエル・ボテット、アリシア・ビーラ・ベイリー、ミランダ・オットー、ステファニー・シグマン、アンソニー・ラパリア、フィリッパ・クルサード、サマーラ・リー、ルル・ウィルソン、タリタ・ベイトマン
ストーリー
人形職人とその妻が幼い愛娘を亡くして数年後、閉鎖に追い込まれた孤児院のシスターと6人の少女たちが、夫婦の館で暮らすことになった。新生活に心躍らせる彼女たちだったが、不気味な雰囲気が漂う館で、次々と怪現象に襲われてしまう…。
解説
前作のアナベルよりもしっかり怖いと感じるホラー映画になっています。
物語としては、如何にしてアナベル人形が作られて呪いの人形になったのかという起源を描くものとなっています。滑稽な悪魔で脅かしていた前作と違い、悪霊的な怪奇をみせる怖さを本作はしっかり描写していて良かったです。子ども視点での恐怖場面が多い事も、その怖さを魅せる上での要因だと思いました。
前作【アナベル 死霊館の人形】に繋がる結末は、一本の筋道が通るようで上手い繋げ方であり、更なる前日譚である【死霊館のシスター】にも繋がる要素も描写されており、世界観の広がりも感じられる作品となっております。
【死霊館のシスター】(2018)
評価★3.3 おすすめ度75
監督:コリン・ハーディ 脚本:ゲイリー・ドーベルマン 原作:ゲイリー・ドーベルマン
出演者:タイッサ・ファーミガ、デミアン・ビチル、シャーロット・ホープ、リリ・ボーダン、ボニー・アーロンズ、イングリッド・ビス
ストーリー
1952年、ルーマニアの修道院で若いシスターが自ら命を絶った。事件の真相究明のため教会はバーク神父と見習いシスター・アイリーンを派遣する。調査を進めた2人は、悪魔のシスター・ヴァラクの存在に行き着き、自らの命と信仰を懸けて対峙する。
解説
死霊館シリーズの前日談であり、シリーズで最も時系列の古い作品。死霊館 エンフィールド事件にて登場した黒いシスター、ヴァラクのお話です。
死霊館シリーズのファンとしては楽しめる作品でした。ただ、他の作品に比べると怖がらせ方が単調に感じてしまう部分がありました。しかしながら、このシリーズはストーリー面のクオリティが高いので飽きることなく全編釘付けになっていました。ヴァラクはシルエットだけで不気味。暗闇からゆっくり迫ってくる様は恐ろしく、十分不気味な雰囲気を感じられるのではないでしょうか。
主人公のシスターと村の農夫のやり取りには思わず笑顔になります。過去作と思わぬ繋がり方をするので、そこにも注目して欲しいですね。
【ラ・ヨローナ ~泣く女~】(2019)
評価★3.2 おすすめ度77
監督:マイケル・シャヴェス 脚本:Mikki Daughtry、Tobias Iaconis
出演者:リンダ・カーデリーニ、Madeleine McGraw、ローマン・クリストウ、レイモンド・クルツ、パトリシア・ヴェラスケス、ショーン・パトリック・トーマス、マリソル・ラミレス
ストーリー
1970年代のロサンゼルス。不可解な死を遂げた子供の母親が不吉な警告を発する。しかし、それを無視したソーシャルワーカーのアンナと彼女の子供たちは、ある女の“泣き声”を聞いてしまう。その日を境に、アンナの家族は数々の恐ろしい現象に襲われ始め…。
解説
スピンオフ作であり、中南米に伝わる『ラ・ヨローナ』を題材にした映画で王道なホラー映画で面白いと思いました。
他作品との繋がりは【アナベル 死霊館の人形】に登場したペレス神父が僅かに再登場する位なので、本作単体でも問題ない内容だと思います。
ホラー映画として、プールや風呂場での場面等、しっかり怖いと思う描写があって良かったと思います。【死霊館】シリーズらしく、家族愛も描いた内容となっているが、本作では母親と言える人物がラ・ヨローナを含めて3人登場しており、母親にフォーカスした内容だとも感じられました。
中盤以降、呪術医ラファエルの登場で物語がバトルもののようになるが、怖さもありつつ、ユーモアさも感じられる良い作品だと思います。
【アナベル 死霊博物館】(2019)
評価★3.4 おすすめ度80
監督:ゲイリー・ドーベルマン 脚本:ゲイリー・ドーベルマン
出演者:マッケンナ・グレイス、マディソン・イズマン、ケイティ・サリフ、パトリック・ウィルソン、ヴェラ・ファーミガ、エミリー・ブロブスト、スティーヴ・クルター
ストーリー
超常現象研究家・ウォーレン夫妻の家に、強烈な呪いを持つ人形・アナベルが運び込まれる。アナベルは地下の“博物館”に厳重に封印されるが、夫妻が仕事で家を空けたある日、娘のジュディが勝手に博物館に入り込み、アナベルの封印を解いてしまう。
解説
子ども達だけで物事に対処しなければいけない状況は、シリーズ通して新鮮に感じられて良かった。出番は限られているが、久しぶりにウォーレン夫妻も登場する事も嬉しい部分です。
悪霊達のオールスターとも言える作品で楽しめなかった訳ではないが、ホラー映画としての怖さよりもお化け屋敷的な驚きに振りかぶった映画だと思います。
これまでの作品を観ている人ならより楽しめるし、これから先に登場するであろうキャラクターの伏線も張られるので、是非観てほしい作品です。
【死霊館 悪魔のせいなら、無罪。】(2021)
評価★3.7 おすすめ度83
監督:マイケル・チャベス 脚本:デイビッド・レスリー・ジョンソン=マクゴールドリック
出演者:パトリック・ウィルソン、ベラ・ファーミガ、ルアイリ・オコナー、サラ・キャサリン・フック、ジュリアン・ヒリアード、シャーリーン・アモア、スターリング・ジェリンズ
ストーリー
1981年、相手を22度も刺して殺害するという事件が起きた。殺害した青年は、悪魔にとりつかれていたことを理由に無罪を主張する。心霊研究家のウォーレン夫妻は事件の捜査を開始。悪魔の存在を証明しようとするが、邪悪な「何か」に追い詰められていく。
解説
殺人を犯してしまった青年。彼はなぜそんなことをしてしまったのか。悪魔に取り憑かれたことを証明するため、ウォーレン夫妻が奮闘します。
監督が違うからか全作たちから違った形の接し方で、結果からはじまり救うために過去へ遡る。最初からホラー全開。かと思ったら、ストーリー的に謎解きのサスペンス展開。新しい見方、ストーリーで今までのシリーズの中ではあまり怖くはないですが、ウォーレン夫妻の馴れ初めを知れて新たな一面が観れますし、監督が変わってもちゃんと死霊館してますので安心して観れます。
他のホラーが作品を重ねる毎に奇想天外になっていくのと違い、基本的なスタンスを貫く死霊館、本作で少し違いを見せたけど、ウォーレン夫妻がいる限り安心して楽しめる作品だと思います。
【死霊館のシスター 呪いの秘密】(2023)
評価★3.7 おすすめ度84
監督:マイケル・チャベス 脚本:イアン・ゴールドバーグ、リチャード・ナイン、アケラ・クーパー
出演者:タイッサ・ファーミガ、ストーム・リード、アナ・ポップルウェル、ボニー・アーロンズ、ジョナ・ブロケ、ケイトリン・ローズ・ダウニー
ストーリー
1956年。フランスで起こった神父殺人事件をきっかけに、世界に悪がまん延する。そんななか、ある特殊な能力を持つシスター・アイリーンは、教会の要請を受けて事件の調査を開始。人々を救うため、アイリーンは命の危険を顧みず祈りをささげるが…。
解説
まとめ
シリーズをおさらいしたいなら、時系列順で観るのがおすすめです。物語の繋がりが深く理解できて、よりシリーズを楽しめると思います。
- 【死霊館のシスター】(2018)
- 【死霊館のシスター 呪いの秘密】(2023)
- 【アナベル 死霊人形の誕生】(2017)
- 【アナベル 死霊館の人形】(2014)
- 【アナベル 死霊博物館】(2019)
- 【死霊館】(2013)
- 【ラ・ヨローナ ~泣く女~】(2019)
- 【死霊館 エンフィールド事件】(2016)
- 【死霊館 悪魔のせいなら、無罪。】(2021)
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