今回ご紹介する作品は【フューリー】【ミッドウェイ】【アウトポスト】【13時間 ベンガジの秘密の兵士】【T-34 レジェンド・オブ・ウォー】の5作品をネタバレしない程度に紹介します。
戦争映画は歴史上の戦争を題材としたものを指す。国家間の戦争だけでは無く内乱や民族紛争を扱った場合でも戦争映画と呼ばれることも多い。
【フューリー】(2014)
評価★3.8 おすすめ度85

監督:デヴィッド・エアー 脚本:デヴィッド・エアー
出演者:ブラッド・ピット、シャイア・ラブーフ、ローガン・ラーマン、マイケル・ペーニャ、スコット・イーストウッド、ジョン・バーンサル、ゼイヴィア・サミュエル、ジェイソン・アイザックス、ジム・パラック、アナマリア・マリンカ、ブラッド・ウィリアム・ヘンケ、クリストファー・マレキ、クリスチャン・コントレラス
ストーリー
第二次大戦末期のヨーロッパ戦線で徹底抗戦を繰り広げていたドイツ軍。シャーマン戦車“フューリー号”を駆るウォーダディーは仲間と共に戦火の中、過酷なミッションに駆り出される。地雷により立ち往生したフューリーに300人のドイツ軍部隊が襲い掛かる。
解説
第二次世界大戦、ドイツ侵攻中の連合軍戦車部隊の話。
予定の無い部隊に急遽、配属された新米兵士ノーマンの視点から、ブラッド・ピット演じるドンが指揮する戦車部隊とそのメンバーと行動を共にし、戦場の厳しさと残酷さを描いています。戦争映画は1つの戦争を描こうとすると、登場キャラも沢山出てきますし場面もよく切り替わるので、訳が分からなることがありますが、この作品は1つの部隊にフォーカスして話が進んでいくため、すごく観やすいと思います。捕虜のドイツ兵を教育として無理矢理ノーマンに銃を持たせて射殺させたり、ドイツ人の村を制圧して強姦や蛮行を行うといった様子から、戦争で勝った者と負けた者の不条理な対比のようなものが見えます。歴史からも敵国側から非人道的な殺戮を行われていたの分かっていますので、主人公側のドイツ兵に対する憎悪が開始数分から滲み出ていたところから、それらの行為をするのも分からなくもないですが、いざ映像としてリアルに見るときついものがあるかもしれません。
フィクションではありますが多くの退役軍人達の経験談を聞き制作された戦争映画で、戦争のありのままを映しており、アクションもさることながら登場人物の成長や感情の変化をコンパクトに描いて、残忍さはあるものの、ストーリーの構成や山場も分かりやすく身構えずに観れる、男くさい作品だと思います。
【ミッドウェイ】(2019)
評価★3.5 おすすめ度82

監督:ローランド・エメリッヒ 脚本:ウェス・トゥック
出演者:ルーク・エヴァンス、ウディ・ハレルソン、パトリック・ウィルソン、ニック・ジョナス、デニス・クエイド、マンディ・ムーア、アレクサンダー・ルドウィグ、エド・スクライン、ダレン・クリス、アーロン・エッカート、豊川悦司、浅野忠信、國村隼
ストーリー
1941年12月7日、日本軍は戦争の早期終結を狙う山本五十六大将の命により真珠湾を奇襲攻撃。大打撃を受けたアメリカ海軍は、新たな太平洋艦隊司令長官に兵士の士気高揚に長けたチェスター・ニミッツを立て、両国の一歩も引かない攻防が始まる。
解説
真珠湾攻撃からミッドウェイ海戦までの史実をもとに描いた作品。
日本の奇襲である真珠湾攻撃から始まるストーリーでありながら、感情的な表現が抑えられており、史実をありのまま描かれていたように感じます。もちろんアメリカ軍の兵士目線のストーリーですので、「仇をとりたい」「日本軍を倒したい」という感情は自然と出てくるのですが、思ったほどアメリカびいきという感じは受けません。ミッドウェイ海戦はアメリカと日本、お互いの視点で描かれていて、戦闘シーンは迫力がありますし両国の心理戦がとても面白いです。大戦を1つの映画にまとめているので人物などは覚えずらいかもしれませんが、ミッドウェイ海戦の双方の攻防やアメリカが情報戦をかなり重要視しており、それが勝因の1つになっていることなどはよく分かります。敗戦国の日本を悪役のように描くのではなく、あくまで史実を映画にするという姿勢には配慮と敬意を感じれます。
“無敵の日本”とそれに立ち向かう米軍の、戦術・インテリジェンスの戦い、水上・空上での戦いが割りかし日米中立目線で描かれており、どちらの立場でもなく、海の藻屑と散った多くの命を想い、憎むべきは誰かじゃなく人が人を殺し合うことだとまざまざと見せつけてくる、そんな戦争映画だと思います。
【アウトポスト】(2020)
評価★3.7 おすすめ度84

監督:ロッド・ルーリー 脚本:エリック・ジョンソン
出演者:スコット・イーストウッド、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、オーランド・ブルーム、ジャック・ケジー、コリー・ハードリクト、マイオ・ギブソン
ストーリー
アフガニスタン北東部の前哨基地に派遣されてきたロメシャ2等軍曹ら兵士たち。全方向を山に囲まれた、防御的にまるでぜい弱な立地を目にし、あ然とする。タリバンによる攻撃で日々誰かが命を落としてゆくなか、ついにタリバン兵たちが総攻撃を開始し…。
解説
アフガニスタン紛争・カムデシュの戦いを描いたノンフィクション映画。
登場兵士の多さに面食らいますが、それは事実に基づくストーリーとして、臨場感を高めているのと同時に真実へのリスペクトが感じられます。兵士同士の関係や感情などのエモーショナルは描写は薄めで、ソリッドな雰囲気なのは好みが分かれる所かもしれません。カメラワークで手ブレやアングルの変化を上手く使っており没入感が高く、基地内の施設の全体像や兵士の位置関係の描写が少し分かりづらく感じる所もありますが、終盤の壮絶な戦闘シーンはかなりの迫力で見応えがあります。タリバンの単発的な襲撃から大規模攻撃に至る過程、知らぬ間に行われていた情報収集など、しっかりと盛り込まれていて興味深いのですが、全編通してみるとほんの味付け程度でストーリーはあって無いようなものかもしれません。
平時の兵士同士の会話や偶発的な戦闘、終盤の展開も含めてリアルな最前線を感じることのでき、改めてあの現場にいた兵士達の勇敢さに感服し、一方で局地的な戦闘、前哨地の意義や米軍という組織体制、戦略性等、色々と考えさせられる作品だと思います。
【13時間 ベンガジの秘密の兵士】(2016)
評価★3.7 おすすめ度80

監督:マイケル・ベイ 脚本:チャック・ホーガン、ミッチェル・ズックオフ
出演者:ジョン・クラシンスキー、ジェームズ・バッジ・デール、パブロ・シュレイバー、デヴィッド・デンマン、ドミニク・フムザ、マックス・マーティーニ、アレクシア・バルリエ、トビー・スティーヴンス、デヴィッド・コスタビル、エレクトラ・アナスタシ
ストーリー
2012年9月11日、リビアのベンガジ。武装した一団が米国領事館を制圧して館内の者たちを襲撃する。領事館付近に待機するCIAの軍事組織・GRSのメンバーは、すぐさま事態を把握。待機命令が下されるも、傍観できないと銃を手にして領事館へと向かう。
解説
2012年リビアにあるアメリカ大使館への襲撃事件において、CIAの特殊部隊が抵抗した様を描く実話ともとにした戦争アクション映画。
創作物だとまず死なない設定の者が死んでしまったり、”そのフリこの人死ぬ前フリだな”と思った人が死ななかったりする忖度のない実話ベースのこの物語は、その意外性と先が読めないのがやはりリアルで、フィクションは現実を越えられないと改めて痛感できる作品。そして2時間半にわたる長尺なのに、状況の把握しづらさが緊張感といい具合に結びついており、ダレることなく時間を忘れるほど観入ってしまいます。戦闘シーンは本当に激しく、息をのむ展開で観ていて面白いのですが、敵も味方もあっさり死んでしまうことにリアリティを感じます。人である以上、どんな事情があろうと一発の銃弾で死んでしまう戦争の恐ろしさが描かれています。
ストーリーや人物描写もしっかりしていて、登場人物もパートが分かれている上にあまり多くないので非常に掴みやすく、戦闘描写も迫力がありリアルで、戦争映画にありがちな無機質な感じがなくて、いい意味でアクション映画的演出もしっかり入ってて、必ずしもアメリカ万歳という表現にしきっていないところがまた良い作品だと思います。
【T-34 レジェンド・オブ・ウォー】(2018)
評価★3.9 おすすめ度83

監督:アレクセイ・シドロフ 脚本:アレクセイ・シドロフ
出演者:アレクサンドル・ペトロフ、イリーナ・ストラシェンバウム、ヴィンツェンツ・キーファー、ヴィクトル・ドブロヌラヴォフ、アントン・ボグダノフ
ストーリー
ナチス・ドイツの捕虜となったソ連士官・イヴシュキンは、演習の敵役に選ばれ、ソ連戦車・T-34の指揮を強制される。捕虜仲間を集めて準備を進めるが、実弾は与えられず、死の出撃を待つだけ。そんな運命を逆手に取った彼らは、極秘の脱出計画を実行する。
解説
第2次世界大戦の独ソ戦、奮闘むなしく捕虜となったロシア兵が、鹵獲された戦車で豪快に大脱走するお話。
実物のT34戦車を使用し出演者も実際に操縦している何とも贅沢な体験。ストーリーは単純明快で圧倒的不利でもある戦車バトルがここまでエンタメ化し、室内からの目線、方角と細部まで映し出し、白鳥の湖に滑らかに踊り振る舞うお披露目感がシュールでたまりません。戦車は攻撃と守備どちらも特段高いイメージがありますが、素早く動けないというデメリットがあり、それが今作のゲーム攻略的な面白さにつながっています。砲撃が車体にかするとドーンと大きい音がして、中の人たちが麻痺状態になるあの音響も新鮮です。スローモーションになったり火花が散ったりしてひたすらカッコよくて、つい見入ってしまう戦車の魅力がこれでもかと詰まった映画です。
終始荒削りな感じですが作品の持つ勢いは凄まじく、戦車と戦車の型破りな戦いは男心をくすぐり、戦争映画としてのリアリティに欠けるかもしれませんが、ミサイル主観の映像などCGやカメラワークにもこだわっていて、とことんエンタメに振り切っているので気楽に見ることができる作品だと思います。
まとめ(評価とおすすめ度)
タイトル | 評価★ | おすすめ度 |
【フューリー】 | ★3.8 | 85 |
【ミッドウェイ】 | ★3.5 | 82 |
【アウトポスト】 | ★3.7 | 84 |
【13時間 ベンガジの秘密の兵士】 | ★3.7 | 80 |
【T-34 レジェンド・オブ・ウォー】 | ★3.9 | 83 |
こんな時代だからこそ観るべき映画かもしれません。【T-34 レジェンド・オブ・ウォー】はそんなに戦争映画っって感じでもありませんが笑笑
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