今回ご紹介する作品は【ビバリウム】【オールド】【ゲット・アウト】【Swallow/スワロウ】【フロッグ】の5作品をネタバレしない程度に紹介します。
既成の枠にとらわれない、斬新な意外性をもつ、思いがけない、型破りの、独創的な、意外性のある、意外な、新発想の、類型とは異なる、規格外れの、類を見ない、例を見ない、新機軸の、奇抜な、類例を見ない、規格にはまらない、常識外れの、世間の常識にとらわれない、自由奔放な奇妙で上質なスリラー映画です笑笑
【ビバリウム】(2019)
評価★3.4 おすすめ度83
監督:ロルカン・フィネガン 脚本:ギャレット・シャンリー
出演者:ジェシー・アイゼンバーグ、イモージェン・プーツ、ジョナサン・エイリス、Olga Wehrly、アイナ・ハードウィック
ストーリー
新居を探すトムとジェマは、奇妙な住宅地を不動産屋から紹介される。内見を終えた2人は帰路につこうとするが、住宅地から抜け出せなくなってしまう。パニックに陥る2人のもとに、ひとつの段ボールが届く。中には誰の子かわからない赤ん坊が入っていて…。
解説
Yonderと言う住宅街からでられなくなったトムとジェマは正体のわからない赤ん坊を育てる事に。
一見、B級映画ぽい単純な中身にも面白さがという感じですが、よく観ると結構奥深い内容であることが分かります。通の人や勘の鋭い人は中盤でほぼ大筋のお話は見えてしまうものですが、それがまたいいのであるのと、現代の人間社会を皮肉っている感じがいいです。結婚して子供を作るという当たり前なはずがない人生を当たり前と脳内で認識している我々に対するメッセージを全面的に押し出すメタファー調に描くのではなく、比喩を駆使した我々に対して結婚をした2人に対する人生観の問いかけなのかもしれません。
無機質だけどパンチのあるビジュアルと設定で、構成、展開としてはベタで作り物感満載ですが観客をいい気持ちにさせるつもりが全くない気持ち悪さをもった、世にも奇妙な物語にありそうな話の作品です。
【オールド】(2020)
評価★3.7 おすすめ度83
監督:M・ナイト・シャマラン 脚本:M・ナイト・シャマラン
出演者:ガエル・ガルシア・ベルナル、ヴィッキー・クリープス、アレックス・ウルフ、トーマシン・マッケンジー、ルーファス・シーウェル、ケン・レオン、エリザ・スカンレン、アビー・リー・カーショウ、エンベス・デイヴィッツ、エマン・エリオット、ニキ・アムカ=バード、アーロン・ピア
ストーリー
人里離れた美しいビーチで家族と共にバカンスを過ごしていたプリスカは、突然姿を消した息子・トレントを捜していた。ほかの家族に行方を尋ねるプリスカの前に、トレントが姿を現す。だが、6歳だった彼は、少し目を離した隙に青年の姿に急成長していた。
解説
南国のリゾート地のプライベートビーチを訪れた家族が、急激に歳を取りはじめ、ビーチから脱出しようとするスリラー。
まともに考えるとあり得ない設定ですが、シャマラン監督の得意の情緒不安定映像で未知なる世界への旅が始まります。ジャンルとしてもSF、ミステリー、ホラー、ファンタジーのすべての基準を満たす内容はエンタメ精神に溢れています。時間が急速にすすむ海岸での予測不可能な出来事は、怒涛の展開で息をつく暇もありません。シャマラン得意の不安を煽るキャメラは上下左右と揺れ動く。家族以外のキャラも多数登場し、そして時間に関わる異常現象が繰り広げられます。この映画は異常世界の出来事なのですが、そこに家族愛がしっかり描写されていて、年を取ることもそんなに悪い事でもないと感じさせる温かさがあるのもポイントです。
人が成長及び老化していく姿を猛スピードで描くことで、時間というモノが如何に残酷なのかを思い知らされると同時に、家族との時間がいかに大切なのかを知らせてくれる作品です。
【ゲット・アウト】(2017)
評価★3.8 おすすめ度88
監督:ジョーダン・ピール 脚本:ジョーダン・ピール
出演者:ダニエル・カルーヤ、アリソン・ウィリアムズ、ブラッドリー・ウィットフォード、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、キャサリン・キーナー、スティーヴン・ルート、ベティー・ガブリエル、ラキース・スタンフィールド、リルレル・ハウリー
ストーリー
白人の恋人・ローズの実家に招待された黒人のカメラマン・クリス。ローズの家族から過剰なまでの歓迎を受けた彼は、黒人の使用人たちの奇妙な態度に動揺する。翌日、白人ばかりのパーティで黒人の若者を見つけたクリスは、思わず彼を撮影するが…。
解説
黒人の彼氏、白人の彼女というカップルが、彼女の実家に挨拶に行くお話。
普通と不穏な空気感が入り混じって映画として楽しめますがトラウマになりそうな作品です。張られた伏線を回収した時、疑いや不気味さが恐怖に変わり、じわじわ怖さの残る余韻に作品としての満足感と恐怖がずっと残り続けてます。観終わってから解説を見るとより伏線の内容や映画のメッセージを感じることができると思います。不気味な雰囲気の作品で刺激的な描写の多い作品ですが、ちゃんと人種差別を皮肉った作品としての意味も読み取れる作品になっていて凄く面白いです。
監督自身が受けてきた黒人という人種に対する偏見を話の中に組み込みながら、アメリカの人種差別の歴史をホラー映画として落としこんだ、とても手の込んだ作品です。
【Swallow/スワロウ】(2019)
評価★3.7 おすすめ度80
監督:カーロ・ミラベラ=デイビス 脚本:カーロ・ミラベラ=デイビス
出演者:ヘイリー・ベネット、オースティン・ストウェル、エリザベス・マーヴェル、デヴィッド・ラッシュ、デニス・オヘア、ローレン・ヴェレス
ストーリー
完璧な夫、美しい郊外の邸宅、ハンターは誰もがうらやむ暮らしを手に入れたが、孤独で息苦しい日々を過ごしていた。そんななか妊娠が発覚し、彼女の孤独は深まっていくばかり。ある日、ふとしたことからハンターはガラス玉を飲み込みたい衝動に駆られ…。
解説
何でも飲み込みたくなる衝動に駆られる人の話。
往年のシャーリー・マクレーンを思わせる、チャーミングだがどこか垢抜けない不安を抱えた主人公を、ヘイリー・ベネットが見事に演じています。日本での打ち出しはスリラー風ですが、傷ついた女性の再生までを映し出したヒューマン・ドラマとも言えるかもしれません。導入部からの展開は意外ですが気持ちのいい裏切りです。お洒落で綺麗でファンタジックなスリラー映画かと思って観ていたら、生々しい社会問題を提起され最後は予想外の着地点とメッセージの強烈さに、何だか違う意味でゾッとします。
異食症をテーマに抑圧された主人公の内面の闇と解放までを辿る、異色のスリラー作品であり異色のヒューマン・ドラマ作品です。
【フロッグ】(2019)
評価★3.7 おすすめ度90
監督:アダム・ランドール 脚本:デヴォン・グレイ
出演者:ヘレン・ハント、ジョン・テニー、ジュダ・ルイス、オーウェン・ティーグ、リブ・ベアアー、グレゴリー・アラン・ウィリアムズ
ストーリー
ある街で、10歳と9歳の少年が続けて失踪する。現場には、以前世間を騒がせた連続少年誘拐殺人事件の時と同じ緑色のナイフが残されていた。しかし、当時の犯人は逮捕されており捜査は難航する。一方、担当刑事の自宅でも不可解な出来事が起こるようになり…。
解説
少年の誘拐事件、母親の不倫、家で起こる怪奇現象、フロッギング?開始45分、その恐怖は快感に変わる。
ホラーっぽく始まったと思いきや後半で怒涛の伏線回収を見せるどんでん返しミステリー。前半と後半でガラリと様相が一変する、その構成と脚本がとても良いです。刑事の家の不可解でホラーのようなスリラーのような展開に、連続誘拐事件は一体どうなったの?という気分にさせられますが、後半たたみ掛けるような種明かしの真実にとても引き込まれます。ただ物語がガラッと変わるだけでなく、そこからさらに物語が飛躍していくので、ただ物語が反転するだけにとどまらない、というところが本作の面白さだと思います。
前知識無しで観た方が絶対に楽しめるので多くは語れませんって作品です。
まとめ(評価とおすすめ度)
タイトル | 評価★ | おすすめ度 |
【ビバリウム】 | ★3.4 | 83 |
【オールド】 | ★3.7 | 83 |
【ゲット・アウト】 | ★3.8 | 88 |
【Swallow/スワロウ】 | ★3.7 | 80 |
【フロッグ】 | ★3.7 | 90 |
個性的な作品ばかりですが、ホラーやミステリーなど複数の要素が綺麗に纏まっているため最後まで見入ってしまい、とても楽しめると思います。
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