今回ご紹介する作品は【スーパー!】【なんちゃって家族】【おとなのけんか】【スペース・プレイヤーズ】【スクール・オブ・ロック】の5作品をネタバレしない程度に紹介します。
コメディ映画、喜劇映画(きげきえいが)は、ユーモアに重点を置いた映画のジャンルで、これらの映画は聴衆から笑いを引き出すために制作されています。コメディは、一般的に陽気なドラマであり、観客を楽しませエンターテインメントとして作られていて、コメディというジャンルでは、しばしばユーモラスな状況、話し方、アクションやキャラクターが誇張されます。
【スーパー!】(2010)
評価★3.7 おすすめ度78
監督:ジェームズ・ガン 脚本:ジェームズ・ガン
出演者:レイン・ウィルソン、エリオット・ペイジ(エレン・ペイジ)、リヴ・タイラー、ケヴィン・ベーコン、ネイサン・フィリオン、グレッグ・ヘンリー、マイケル・ルーカー、アンドレ・ロヨ、ショーン・ガン、スティーヴン・ブラックハート、リンダ・カーデリーニ
ストーリー
気弱でさえない男フランクは、妻のサラがドラッグの元締めジョックと浮気をしていることを知る。絶望した彼はお手製のコスチュームを着てヒーロー「クリムゾンボルト」に変身。イカれたボルティーを相棒に、妻を取り戻すためにジョックのアジトに向かう。
解説
妻をドラッグディーラーに寝取られた腹いせに、スーパーヒーローの格好をして悪党の頭をレンチでカチ割るイカれたダークヒーローの話。
ヒーロー活動に目覚めた主人公をコメディタッチで明るく描く映画かと思いきや、ただの割り込みをしただけの男や、イタズラをしただけの青年に対して過剰な暴力を振るうシーンは、テンションが上がるどころか逆に冷水をぶっ掛けられるかのように感じてしまう描き方。神の啓示だの到底正気じゃない理由に突き動かされる主人公に対して、一方的に肩入れするような描き方はしないようにしている本作の特徴を、好きになれるかどうかが好みの分かれそうな部分かもしれません。ヒーローもの映画の本流のテーマの裏側を描いた作品で、汚い暴力と自己満足で皮肉る描写のオンパレードです。ヒーローの正義の傲慢さは本家で語り尽くされていると言ってもいいテーマなので、今観ても真新しさは感じませんが、孤独な中年が奮起して一生忘れられない思い出を手に入れるストーリーは普遍的な感動を呼び起こしてくれます。
ジェームズ・ガン監督の今につながる原点とも言われるオリジナルのヒーロー映画で、過激なエログロ描写はもちろんのこと、その過激さから想像できないほど切ない物語は、既に完成度の高い作品となっています。
【なんちゃって家族】(2013)
評価★3.8 おすすめ度83
監督:ローソン・マーシャル・サーバー 脚本:ボブ・フィッシャー、スティーヴ・フェイバー、ショーン・アンダース、ジョン・モリス
出演者:ジェニファー・アニストン、ジェイソン・サダイキス、エマ・ロバーツ、ウィル・ポールター、エド・ヘルムズ、ニック・オファーマン、キャスリン・ハーン、モリー・C・クイン、トメル・シスレー、マシュー・ウィリグ
ストーリー
マリファナの売人・デヴィッドは、不良にマリファナと金を奪われ、穴埋めとしてメキシコから麻薬を運ぶ羽目に。ストリッパーのローズ、童貞少年・ケニー、ホームレス少女・ケイシーと家族旅行を装ったデヴィッドは、キャンピングカーでメキシコを目指すが…。
解説
麻薬密輸のために他人同士が家族を装い、共に行動するお話。
本作は麻薬密輸の為にニセの家族を結成するという話ですが、ニセの父親はマリファナの売人、ニセの母親は貧乏なストリッパー、ニセの長女はホームレスの少女、ニセの弟はシャイな童貞少年ととにかくメンツが個性的。しかし、はじめは噛み合わずバラバラだったニセ家族ですが、さまざな危機の中でチームワークを発揮し、いつしか本物の家族のような関係を築く展開に魅了され、思わず涙してしまうような場面も。童貞少年の恋を応援したり、ホームレスの少女の素行を心配したり、ほっこりするエピソード多数あります。そんなほっこりと感動のシーンにレーティング15も頷けるほどのブラックユーモアとキレッキレのギャグ、そして下ネタを叩き込んでくる辺りは流石アメリカ産コメディ映画と言ったところです。
本作はキャンピングカーでメキシコから国境を超えアメリカの家に帰るまでを描いたロードムービーとしても秀逸で、緊張感あふれるやりとりや、マフィアから車で追われる展開など、サスペンス、アクション映画としての見どころも満載で、疑似家族映画の感動とロードムービーの面白さをコメディタッチで描いた、非常に完成度の高い作品だと思います。
【おとなのけんか】(2011)
評価★3.6 おすすめ度75
監督:ロマン・ポランスキー 脚本:ヤスミナ・レザ、ロマン・ポランスキー
出演者:ジョディ・フォスター、ケイト・ウィンスレット、クリストフ・ヴァルツ、ジョン・C・ライリー
ストーリー
ニューヨークのブルックリン。子供同士がケンカした件で解決策を話し合うため、カウワン夫妻がロングストリート夫妻の家を訪れる。大人らしく穏やかに話し合いは始まるが、些細な意見の相違が次第にエスカレート。やがてそれぞれの本音が露わになってゆく…。
解説
子供の暴力行為を起因として話し合いになった二組の夫婦が、さまざまな論争を繰り広げる映画。
子供のケンカの和解に集まった2組の夫婦の言い合いがだんだんエスカレートしていく様子をリアルタイムのワンシチュエーションで見せる会話劇。序盤こそ、子供の事で話し合いが始まり、何とか穏便に終わったかと思いきや、話は思いもよらぬ方向へ進み留まることを知らなくなっていきます。99%被害者宅での会話劇で終わるという、洋画っぽくないけど、どこか邦画っぽいコメディ作品。どのキャラも「こういう人いるよなー」という普通の人たちであり、それをリアルに演じきってみせる役者四人の演技力がハンパなく、そして彼らの演技を邪魔することなく、最小限の的確な演出で話を魅せていくポランスキー監督の手腕もすごいと思います。
良識ある大人たちによって穏便に済むように思えた話し合にも関わらず、徐々に建前が剥がれ本音が顕になっていく様子が皮肉たっぷりに描かれていて、とても恐ろしく滑稽で面白い作品です。
【スペース・プレイヤーズ】(2021)
評価★3.5 おすすめ度82
監督:マルコム・D・リー 脚本:セブ・オハニアン、ライアン・クーグラー、アンドリュー・ドッジ、アルフレッド・ボテーロ、ジャスティン・リン、Willie Ebersol
出演者:レブロン・ジェームズ、ドン・チードル、セドリック・D・ジョーンズ、クリス・デービス、ソネクア・マーティン=グリーン、オシェア・ジャクソン・Jr、チャールズ・バークレイ、アンソニー・デイビス、クレイ・トンプソン、カッサンドラ・スター、マーティン・クレバ、マイケル・B・ジョーダン、ジェフ・バーグマン、ゼンデイヤ
ストーリー
バスケットボール選手・レブロンとゲーム開発を夢見る息子・ドムは、映画会社のAIスーパーサーバーに吸い込まれてしまう。レブロンはアル・Gに捕らわれたドムを救うべく、ルーニー・テューンズの面々を仲間にして究極のeスポーツバトルに挑む。
解説
バスケのスター選手レブロンと息子がAIによってバーチャル世界に取り込まれてしまうお話。
【スペース・ジャム】(1996)の続編(?)的な作品で【スペース・ジャム】と比べると、CGや合成技術のレベルが上がってるのは勿論の事、ルーニー・テューンズ以外の映画やキャラクターが大量に出てきて【マッドマックス】や【マトリックス】を始め、DCのキャラクターも総登場。ワーナーが版権を持ってる作品は全部出す…くらいの大盤振る舞いで、観客席にカメオ出演してるキャラクターを見つけるだけでも楽しい映画です。正直、物語はあってないようなもので、話の展開はすぐに読めてしまうかもしれません。本作の主役はあくまでルーニー・テューンズであり、ワーナー映画のお祭りであると思います。途中完全にセルアニメになったり、キャラが2Dから3Dになったり、CGもワーナーのバースの世界も綺麗ですし、演出も面白いです。主演のレブロン・ジェームズもなかなかの役者ぶりで、特に違和感は感じさせません。
良くも悪くもシンプルでお祭り感満載なストーリーで映画が好きなら好きな程に楽しめる奇祭であり、レブロンとドムとの少し上手くいってない親子関係も分かりやすく表現していますし、大人も子供も楽しめるいい作品だと思います。
【スクール・オブ・ロック】(2003)
評価★3.9 おすすめ度85
監督:リチャード・リンクレイター 脚本:マイク・ホワイト
出演者:ジャック・ブラック、ジョーン・キューザック、マイク・ホワイト、サラ・シルヴァーマン、ジョーイ・ゲイドス・Jr、ミランダ・コスグローヴ、ケヴィン・クラーク、レベッカ・ブラウン、ロバート・ツァイ、マリアム・ハッサン、ケイトリン・ヘイル、アレイシャ・アレン、アダム・パスカル、ケイト・マクレガー=スチュワート、ニッキー・カット、ヘザー・ゴールデンハーシュ、エイミー・セダリス、クリス・スタック、ルーカス・バビン
ストーリー
ロックを愛する熱い男、デューイは生活費を稼ぐためにバイト気分で名門小学校の代用教員に。ところがある日、生徒たちの音楽的才能を発見した彼は、子供たちとロックバンドを結成することに…!!
解説
いい歳になってもロックから離れられないデューイがバンドをクビになり、友達になりすましてエリート小学校の臨時講師になる話。
高い音楽のスキル、顔芸、小太り体型なのに、時折心底自由でカッコよく見える主演のジャックブラックありきのキャスティング。また劇中音楽の才能を開花させる子供たちの演奏もアテレコではなく実際に演奏しているそうです。好きな事ばっかやってる情熱的でうだつの上がらないオッさんが、日銭を稼ぐ為にやったなんちゃって授業と指導が、エリート街道まっしぐらでもぼんやりとした退屈を抱える子供達に、自由と自立を教えていく展開がとても熱いです。
ストーリーは王道的にハッピーで逆に言えばひねりはありませんが、休日のちょっと空いた時間をカジュアルにごきげんで過ごしたいなら、こんなにうってつけの映画は他にない感じの作品だと思います。
まとめ(評価とおすすめ度)
タイトル | 評価★ | おすすめ度 |
【スーパー!】 | ★3.7 | 78 |
【なんちゃって家族】 | ★3.8 | 83 |
【おとなのけんか】 | ★3.6 | 75 |
【スペース・プレイヤーズ】 | ★3.5 | 82 |
【スクール・オブ・ロック】 | ★3.9 | 85 |
頭空っぽで観れますが【スペース・プレイヤーズ】以外は大人向けだと思います。
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