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【おすすめ映画63】地味だけど観ていて飽きない実話をもとにした洋画5選

  • 11月 25, 2021
  • 8月 21, 2022
  • 洋画
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今回ご紹介する作品は【戦場のおくりびと】【ミュンヘン】【人生はローリングストーン】【チェンジリング】【MINAMATA―ミナマタ―】の5作品をネタバレしない程度に紹介します

実話をもとにした映画は、内容や脚色具合にもよりますが派手さが無いので飽きて眠くなりがちですが、ここで紹介する作品は、ジャンルも尺の長さも様々ですが最後まで飽きずに楽しめるように工夫されていると思います。

【戦場のおくりびと】(2009)

評価3.8 おすすめ度82

  上映時間:77分

監督:ロス・カッツ

出演者:ケヴィン・ベーコン、トム・アルドリッジ、ニコラス・リース・アート、ブランチ・ベイカー、トーマス・リチャード・ブルーム、ガイ・ボイド、ゴードン・クラップ、マイク・コルター

ストーリー

戦場のイラクから帰還し、内勤に就いているマイケル中佐。ある時、戦死者リストの中に同郷の若者の名前を見つけた。マイケルは彼の故郷へと遺体を運ぶ任務に志願。丁重に清められた遺体と遺品が収められた棺を護衛しつつ、マイケルは彼の故郷へ向かう。

解説

イラク戦争を体験した兵士の実話を基に、戦場で亡くなった兵士の遺体を故郷へ移送する男の姿を描いた感動の人間ドラマ。戦死者を弔うという行為を丹念に追う一作。

単に死者を墓地に葬るというだけではなく、遺体を空輸し、洗浄し、棺におさめ、梱包し、輸送し、葬儀を執り行い、埋葬する。一連のシステム化されつつも敬意を持って扱われるという、アメリカ社会における戦死者への価値観を垣間見える貴重な映画です。死者を送る模様を追うという映画の本筋を単調にさせないのは、やはりケヴィン・ベーコンその人の俳優力にも起因しています。

多くを語らず静かな演出ですが、軍関係者はもちろん護送に関わったり居合わせた民間人の皆が戦死者に深く敬意を表する様が描かれていて、77分と短い時間で簡潔であるにも関わらずとても胸を打つ素晴らしく感動的な作品です。

【ミュンヘン】(2005)

評価3.6 おすすめ度80

  上映時間:164分

監督:スティーヴン・スピルバーグ 脚本:トニー・クシュナー、エリック・ロス

出演者:エリック・バナ、ダニエル・クレイグ、キアラン・ハインズ、マチュー・カソヴィッツ、ハンス・ジシュラー、ジェフリー・ラッシュ、アイェレット・ゾラー、ギラ・アルマゴール、マイケル・ロンズデール、マチュー・アマルリック、モーリッツ・ブライブトロイ、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、メーレト・ベッカー、イヴァン・アタル、マリ=ジョゼ・クローズ、アミ・ワインバーグ、リン・コーエン、アモス・ラヴィ、マクラム・フーリー、ヒアム・アッバス、ジャメル・バレク、オマー・メトワリー、メーディ・ネブー、メリク・タドロス、アロン・アボートボール

ストーリー

ミュンヘン・オリンピックでパレスチナゲリラ“黒い九月”がイスラエル選手団を襲撃。これを受けてイスラエル諜報機関“モサド”は報復部隊を組織する。リーダーのアヴナーは妊娠中の妻を残してヨーロッパに渡り、仲間たちと共に標的を仕留めていくが…。

解説

1972年9月、ミュンヘン五輪で起きたテロにテロで報復した史実をもとに描いたスティーヴン・スピルバーグ監督作品。

容易には解けぬ憎しみの連鎖により復讐合戦となった哀しい歴史の果てで次第に心を病む暗殺部隊長のアヴナーの姿を描いた歴史ドラマです。所謂「俺は殺し屋暗殺なんて朝飯前」という描き方ではなく、作戦を通して暗殺したシーンが脳裏に焼きついて、また、自分の命も狙われているのではとノイローゼに近い不安に駆られる主人公の姿も描いており、よりリアルを感じます。

冷戦時代の真綿で首を締める戦いの中で病む男というシリアスムードの物語をスピルバーグらしいリアリティに拘る殺害描写を用いながら三時間近い長尺で綴った作品で、サスペンスとしての娯楽性は少なく史実故の重みにやや耐えかねるところはありますが、未だに訪れぬ血で血を洗う時代の終わりを観る者に願わせる力強さのある一作だと思います。

【人生はローリングストーン】(2015)

評価3.6 おすすめ度75

  上映時間:105分

監督:ジェームズ・ポンソルト 脚本:ドナルド・マーグリーズ

出演者:ジェイソン・シーゲル、ジェシー・アイゼンバーグ、アンナ・クラムスキー、ジョーン・キューザック、メイミー・ガマー、ロン・リヴィングストン、ミッキー・サムナー、ダン・ジョン・ミラー、エリザベス・リンデイ

ストーリー

「ローリング・ストーン」誌の若手記者デヴィッド・リプスキーは、人気作家デヴィッド・フォスター・ウォレスに密着取材を申し入れる。新刊の販促ツアーに同行した2人は意気投合。ところが、次第にウォレスの心の闇が明らかになってゆく…。

解説

実在の作家デヴィッド・フォスター・ウォレスと彼のファンでもあるローリングストーン誌の若手記者との5日間の旅路を追ったロードムービー。

最初は意気投合し楽しい密着取材になるかと思われた旅ですが、次第にウォレスの人格の核心に迫っていくうちに彼の陰の部分が顕在化し、一気に不穏な雰囲気になっていきます。想像していた明るく楽しいロードムービーではなく、1人の人物の深層に迫るからこそ成される2人の感情の吐露に見られる哲学的でさえある要素はこの作品を印象的なものにしています。ちょっとピリつき過ぎてロードムービーらしからぬ緊張感があるのは不思議な感覚になります。

説明台詞が多すぎる訳ではなく、会話劇から心の奥底の繊細な部分を見せたり、人間の闇の感情を言語化したような作品で意外と考えさせられ余韻も深いです。

【チェンジリング】(2008)

評価3.7 おすすめ度84

  上映時間:142分

監督:クリント・イーストウッド 脚本:J・マイケル・ストラジンスキー

出演者:アンジェリーナ・ジョリー、ジョン・マルコヴィッチ、ジェフリー・ドノヴァン、コルム・フィオール、ジェイソン・バトラー・ハーナー、エイミー・ライアン、マイケル・ケリー、ピーター・ゲレッティ、デニス・オヘア、コルビー・フレンチ、ジェフ・ピアソン、リリー・ナイト、ガトリン・グリフィス

ストーリー

1928年のロサンゼルス。シングルマザーのクリスティンは9歳の息子と幸せな毎日を送っていたが、ある日、家で留守番をしていた息子が失踪。それから5カ月後に発見されたとの報が入るが、クリスティンの前に現れたのは、息子によく似た見知らぬ少年だった…。

解説

1920年代にロサンゼルスで起こった少年を連続で誘拐し殺害した、ゴードン・ノースコット事件の実話をもとにした映画。

ストーリーが胸糞悪くてモヤモヤする部分も多いのですが、実話をもとにしているからこそのリアルな残酷さが感じられます。またラストは良いとも悪いとも言い切れないような終わり方で、希望と同時に切なさや苦痛を十字架のように背負っている感じがなんとも言えず、解釈をこちら側に委ねてくれるようないいラストだとおもいます。そして何よりアンジェリーナ・ジョリー素晴らしく、さぞ複雑であろう心情を表情どころか目だけで語るようなカットが多くしびれます。全体的に派手さはなく割りと地味めだからこそ、彼女の演技が際立っています。

小説よりも奇なりな事実にもとづくストーリーは、予想に反してどんどん思いもよらないほうに転がっていき、ドラマもサスペンスもドキュメンタリーもクライムも取り込んだ作品です、

【MINAMATA―ミナマタ―】(2020)

評価3.9 おすすめ度85

  上映時間:115分

監督:アンドリュー・レビータス 脚本:デビット・ケスラー

出演者:ジョニー・デップ、真田広之、國村隼、美波、加瀬亮、浅野忠信、アキコ・イワセ、ビル・ナイ、キャサリン・ジェンキンス、リリー・ロビンソン、羽田昌義、小河研太

ストーリー

1971年、N.Y.。アメリカを代表する写真家の1人であるユージン・スミスは、酒に溺れ荒んだ生活を送っていた。そんな時、ユージンはアイリーンと名乗る女性から、大企業が海に流した有害物質によって苦しむ熊本県水俣市の人々を撮影してほしいと頼まれる。

解説

熊本の水俣病の惨状を世界に伝えたアメリカを代表する写真家ユージン・スミス氏が、水俣で暮らしながら公害に苦しむ人々の日常と、闘いの日々を撮影した活動を描いた作品。

魂を込めた写真というものはどういったものか?想いを込めシャッターを押すユージン・スミスをジョニー・デップが本気の演技で演じることによって水俣病と向き合う姿勢が鮮明になり、よくある中途半端にアメリカナイズされた映画の中の日本とは一味違う本物の凄みが出ていると思います。若干、オリエンタリズム的に美化された日本でロケ地がセルビア・モンテネグロなのでどうしても熊本県には見えないところもありますが、日本の実力派俳優陣で固めていて、英語も日本語も全く不自然なく素晴らしいです。

原爆が広島だけじゃないように水俣病もまた熊本だけではありません。四大公害の1つで日本人なら必ず知っておくべき教養です。重いテーマの映画ですが、あまり暗くなり過ぎずシンプルなストーリーで観やすい作品です。

まとめ(評価とおすすめ度)

タイトル評価おすすめ度
【戦場のおくりびと】3.882
【ミュンヘン】3.680
【人生はローリングストーン】3.675
【チェンジリング】3.784
【MINAMATA―ミナマタ―】3.985

【MINAMATA―ミナマタ―】は日本人なら観ておくべき作品ですね。

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