今回ご紹介する作品は【43年後のアイ・ラヴ・ユー】【ラストベガス】【ミリオンダラー・ベイビー】【最高の人生のはじめ方】【みかんの丘】の5作品をネタバレしない程度に紹介します。
『老いて益々盛んなり』年老いても、若い時をしのぐほどに意気に満ちていること。
『老いては益々壮なるべし』年老いても元気が衰えず、益々盛んな意気がなければならないということ。
【43年後のアイ・ラヴ・ユー】(2019)
評価★3.6 おすすめ度82

監督:マーティン・ロセテ 脚本:ラファ・ルッソ
出演者:ブルース・ダーン、カロリーヌ・シオル、ブライアン・コックス、シエンナ・ギロリー、ヴェロニカ・フォルケ
ストーリー
妻を亡くし独りで暮らす元演劇評論家のクロード。ある日、昔の恋人で人気舞台女優のリリィがアルツハイマーを患い施設に入ったことを知る。もう一度彼女に会いたいと、クロードはアルツハイマーのふりをしてリリィと同じ施設に入居しようと思いつくが…。
解説
過去の恋人がアルツハイマーになって施設にいることがわかり、アルツハイマーを装って一緒の施設に入るおじいちゃんのお話。
深読みしていく必要が無く、どんな人にも理解しやすいストーリーで長さも長過ぎず丁度よく、そして構成もしっかり作られていて心が温かくなれますし、たまにクスッと笑えます。お年寄りが中心かなと思いきや、孫娘が重要な役どころで孫娘の恋模様もあったりと心がほっこりします。
画面の色味もずっとやさしく暖かで、それでいて明るく鮮やかな色彩で癒しと楽しさを与えてくれて、設定から既に面白く、一風変わった恋愛もので派手ではありませんが、年をとってからこそ分かる人間の温かみ全振りな素敵な優しい映画だと思います。
【ラストベガス】(2013)
評価★3.8 おすすめ度85

監督:ジョン・タートルトーブ 脚本:ダン・フォーゲルマン
出演者:マイケル・ダグラス、ロバート・デ・ニーロ、モーガン・フリーマン、ケヴィン・クライン、メアリー・スティーンバージェン、ジェリー・フェレーラ、ロマニー・マルコ、ロジャー・バート、ジョアンナ・グリーソン、マイケル・イーリー、ブレ・ブレア、エイプリル・ビリングズリー、ステファン・スコット・スカープラ、50セント
ストーリー
子供時代を一緒に過ごしたビリー、バディ、アーチー、サムは今や孫がいる年齢になっていた。あることがきっかけで疎遠になっていた彼らだったが、ビリーの結婚祝いでラスベガスに集合。歓楽の地で若さを取り戻した4人は大はしゃぎを始めるのだが…。
解説
マイケル・ダグラス、ロバート・デ・ニーロ、モーガン・フリーマン、ケヴィン・クライン、ハリウッド俳優の大ベテラン4人の共演のヒューマンドラマ。
幼馴染4人の子供の頃の様子は序盤に少ししか流れずに、後は全部おじいちゃんたちの話ですが、58年の友情を自然と感じられるのはレジェンド達のさすがの演技力なのでしょうか。亡くなった嫁を忘れられない男、2周り以上も歳の離れた嫁と結婚する男、とにかく女とハメを外したいけど妻が大好きな男、息子に心配をかけたくない男、それぞれの人間模様が見れてとても面白いです。
とにかくテンポも良く、コミカルに物語が進んでいくので飽きずに観れて、歳を重ねる事で周りの環境や立場が変わっていく中で、友情という変わらないものがあるのを再確認できる作品です。
【ミリオンダラー・ベイビー】(2004)
評価★3.8 おすすめ度84

監督:クリント・イーストウッド 脚本:ポール・ハギス
出演者:クリント・イーストウッド、ヒラリー・スワンク、モーガン・フリーマン、アンソニー・マッキー、ジェイ・バルチェル、マイク・コルター、ブリアン・F・オバーン、マーゴ・マーティンデイル、マイケル・ペーニャ、ベニート・マルティネス、ブルース・マックヴィッティ、ネッド・アイゼンバーグ、モーガン・イーストウッド、ルシア・ライカー、リキ・リンドホーム、マーカス・チェイト
ストーリー
不幸な暮らしを送ってきたマギーは、人生の再起を懸けボクシングの名トレーナー・フランキーに弟子入り。孤独なフランキーとマギーの間には深い絆が芽生え、ボクシングでも頭角を表すように。そんな中、汚いやり口で知られるビリーとの対戦に挑むのだが…。
解説
家族から愛情を貰ったことのない女性と、家族の愛情を知らない老トレーナーの交流を描いたヒューマンドラマ。
サクセスストーリーを淡々と描く前半部から一転、唐突に突きつけられる絶望的な状況。“安楽死”、“自殺幇助”といった倫理的、法的にも難しいテーマを改めて考えさせられます。大切な人が植物状態になり、自殺幇助を望んできたら果たして自分はどのような選択をするのだろうか。本作のフランキーの心中を慮ると胸が締め付けられるような気持ちになるが、彼の選択を肯定することも否定することも出来ない。“モ・クシュラ”の意味、一連のシーンのフランキーの表情や所作からは年齢や恋愛というものを超越した慈愛のようなものを感じます。
ボクシング映画にも関わらず落ち着いた雰囲気とBGMから成り立っており、その中でもボクシングの熱さやカッコよさ、それには合わないような切なくて腹立たしい物語展開や登場人物、単なるボクシング映画では決してない、衝撃の結末にかなり衝撃を受ける作品です。
【最高の人生のはじめ方】(2012)
評価★3.6 おすすめ度80

監督:ロブ・ライナー 脚本:ガイ・トーマス
出演者:モーガン・フリーマン、ヴァージニア・マドセン、マデリン・キャロル、キーナン・トンプソン、エマ・ファーマン、C・J・ウィルソン、アッシュ・クリスチャン、デバーゴ・サンヤル、フレッド・ウィラード、ジェシカ・ヘクト、クリストファー・マッキャン、ケヴィン・ポラック、ボイド・ホルブルック
ストーリー
有名な小説家モンテ・ワイルドホーンも、今ではアルコールにおぼれ創作意欲を完全に失っていた。孤独な毎日を過ごす彼に、甥のヘンリーは避暑地で夏を過ごすことを提案。モンテは美しい湖畔にあるキャビンを訪れるが、その隣家へ魅力的なシングルマザーのシャーロットが三人の娘を伴ってやってくる。
解説
アルコール依存症の老作家が隣に暮らす母娘との交流を通して再生していく姿を描いた映画。
ロブ・ライナー監督が往年の名優を起用する「最高の」シリーズは、とてもシンプルな構成にのせた人と人の温かみのある交流が魅力的。今回主役を演じたのは、「最高の人生の見つけ方」にも出演したモーガン・フリーマンに、タランティーノ作品の常連、マイケル・マドセンを兄に持つヴァージニア・マドセン。長年のキャリアで培った円熟味のある演技を余すことなく発揮し、安心できる質に仕上がった映画です。
物語のテンポはゆっくりで、重要なところをしっかりと観せ、そこまで山場がある訳ではないですが、落ち着いたストーリーと登場人物同士の平和なやり取りが実に良く、観終わったあと爽やかな気分になれる作品です。
【みかんの丘】(2013)
評価★4.1 おすすめ度80

監督:ザザ・ウルシャゼ 脚本:ザザ・ウルシャゼ
出演者:レンビット・ウルフサック、エルモ・ヌガネン、ギオルギ・ナカシゼ、ミヘイル・メスヒ、ライボ・トラス
ストーリー
アブハジア自治共和国でみかん栽培をするエストニア人の集落。ジョージアとアブハジア間に紛争が勃発し、多くの人は帰国するが、イヴォとマルゴスは残っていた。ある日、彼らは戦闘で傷ついた敵同士の二人の兵士を自宅で介抱することになる。
解説
怪我をした敵同士が心を開いていく物語。
中央アジア、コーカサス地方にある国、ジョージア(ロシア語読み:グルジア)。この周辺地域では今も民族対立に起因する紛争が絶えません。本作はそのうちのアブハジアとジョージアの争いを、あくまで中立の立場であるエストニア移民の老人の視点から描いています。民族や宗教などマクロの視点で考えると相手が敵に見えて簡単に殺せる一方で、1:1で接して1人の同じ人間として捉えればそう簡単には殺せないというシンプルな事実を描いた良い映画です。登場人物はほぼ4人、撮影場面も9割が家の中と限られたシーンしかなく、しかも淡々と進行していきますが、その限られたシーンに人間の愚かさや儚さ、優しさ温かさが詰まっています。
それぞれの立場や環境の違いを浮き彫りにしつつ戦争の不条理さと人間性の尊さを静かに描いていて、87分という短い時間の中で、とてつもなく大きなものを感じさせてくれる作品だと思います。
まとめ(評価とおすすめ度)
タイトル | 評価★ | おすすめ度 |
【43年後のアイ・ラヴ・ユー】 | ★3.6 | 82 |
【ラストベガス】 | ★3.8 | 85 |
【ミリオンダラー・ベイビー】 | ★3.8 | 84 |
【最高の人生のはじめ方】 | ★3.6 | 80 |
【みかんの丘】 | ★4.1 | 80 |
亡くなった俳優さんもいますが、皆さん老いて益々盛んですね。
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