今回ご紹介する作品は【ある人質 生還までの398日】【キル・チーム】【スノーデン】【フルートベール駅で】 【アメリカン・スナイパー】の5作品をネタバレしない程度に紹介します。
実話であってほしくない作品から、え⁉これ実話なの?って作品まで、多少の脚色はしてあるでしょうが事実をもとにした実話をもとにした信じられない作品たちです。
【ある人質 生還までの398日】(2019)
評価★3.9 おすすめ度84

監督:ニールス・アルデン・オプレヴ、アンダース・W・ベアテルセン
出演者:エスベン・スメド・イェンセン、トビー・ケベル、アンダース・W・ベアテルセン
ストーリー
体操選手からカメラマンに転身したダニエルは、撮影旅行で訪れたシリアでテロリストに拉致される。家族から依頼を受けた人質救出の専門家・アートゥアは誘拐犯に接触するが、70万ドルを要求される。そんななか、ダニエルはラッカに移送されるが…。
解説
アクシデントにより体操のプロを諦め、報道カメラマンとなった男性がシリアでISに拉致され人質となった、まさに生き地獄のような13ヶ月の実話をもとにした物語。
平和ボケしてる頭をガツンと殴られたような作品。助ける手段は家族の愛とお金。テロリストとは一切交渉しない政府と、救いたい一心でお金を必死に掻き集める家族の対比が、より一層虚しい気持ちにさせます。劇的に脚色して作られてはいないらしく、地獄の日々を淡々と描いてるのが生々しく、感情を失っていく主人公とシンクロしてきて気持ちが重くなっていきます。
常に違った意味での緊張感が敷かれ、張り詰めた恐怖のなかに囚われたもの達、家族、交渉人、ISメンバーそれぞれに心揺さぶられる場面やドラマもあって演出も上手い、苦しいですが、かなり惹き込まれます。映画ってエンターテイメントですが、私たちに色々な現実を教えてくれる素晴らしいコンテンツだと改めて思える作品だと思います。
【キル・チーム】(2019)
評価★3.5 おすすめ度80

監督:ダン・クラウス 脚本:ダン・クラウス
出演者:アレクサンダー・スカルスガルド、ナット・ウルフ、アダム・ロング、ジョナサン・ホワイトセル、ブライアン・マーク、オシ・イカイル、ロブ・モロー、アンナ・フランコリーニ、オリバー・リッチー
ストーリー
正義感と愛国心に燃えアフガニスタンに渡ったアンドリュー。現地では地元住民を取り調べるばかりの退屈な日常が続いていた。そんなある日、地雷を踏んで爆死した上官の代わりに、歴戦の猛者として名高いディークス軍曹が赴任してくるのだが…。
解説
戦争映画でこのタイトル、戦争アクションと勘違いされそうですが派手な戦闘シーンは無く、アフガニスタンでの米陸軍軍人による民間人殺戮事件がドキュメンタリーになり映画になった実話作品。
荒涼とした戦場を舞台に鋭くサスペンスフルな展開が背筋に冷たいものを走らせます。戦争という特殊な地だからこそ生まれた、人間の負の面が色濃く描かれていて、本作は紛れもなく戦争映画。新兵が遭遇する戦争の場の真実は、闇の深さが凄まじく、独特な緊張感がヒリヒリ伝わり、主人公の新兵の心の内が漏れ出て伝わってきます。戦争が人を狂わしている様を、敵対する相手との戦闘以上に感じさせもします。
地味目な映画ですが最初から最後まで凄まじい緊張感が途切れず、演者も素晴らしくリアルで普通の戦争映画の怖さとはまた違う恐ろしさを感じれる作品だと思います。
【スノーデン】(2016)
評価★3.7 おすすめ度78

監督:オリヴァー・ストーン 脚本:オリヴァー・ストーン
出演者:ジョセフ・ゴードン=レヴィット、シャイリーン・ウッドリー、スコット・イーストウッド、ザカリー・クイント、トム・ウィルキンソン、ベン・シュネッツァー、メリッサ・レオ、ニコラス・ケイジ、リス・エヴァンス
ストーリー
軍に入隊するもけがのため除隊を余儀なくされたスノーデン。失意の中、CIAに採用された彼は高いコンピュータ知識を評価され、スイスへ派遣される。だが、そこで米政府が対テロ諜報活動の名の下に世界中を監視していることを知り、命懸けの告発に踏み切る。
解説
2013年に実際に起きた元CIA職員が世界中を監視しているプログラムがある事を世間に知らせる話。
「真実を話さないこと」と「嘘を言うことは違う」と言って自国の覇権を守ろうとする高官たちに心身を擦り減らすエドワード・スノーデン。彼は最後まで「自分の良心に基づいて正しくありたい」という姿勢を貫いた結果、自分の国に住み続けられない事態になりました。知り過ぎた人たちも、何も知らずに気楽な人たちも監視されて生きていることに変わりはない。しかし、監視によって国民の安全を守っているわけではないという強いメッセージを感じます。
ドキュメンタリーと捉えれば衝撃の描写も多く、ノンフィクションならではのハラハラとした感覚があり、エドが仕事を通してどんどん抱いていく政府の政策への違和感、それが募っていく過程が鮮明に描かれていて、自身の信条を貫いた男の勇気に感動する物語です。
【フルートベール駅で】(2013)
評価★3.9 おすすめ度86

監督:ライアン・クーグラー
出演者:マイケル・B・ジョーダン、メロニー・ディアス、オクタヴィア・スペンサー、ケヴィン・デュランド、チャド・マイケル・マーレイ、アーナ・オライリー、アリアナ・ニール、トレスティン・ジョージ、ジョーイ・オグレスビー、マージョリー・クランプ・シアーズ
ストーリー
22歳のオスカー・グラントは、大晦日が誕生日の母を祝った後、恋人や仲間たちと新年を祝いにサンフランシスコへ。その帰路、オスカーは電車内で喧嘩を売られ、仲間を巻き込み乱闘に。鉄道警察に釈明するオスカーだったが、警官たちは聞く耳を持たず…。
解説
2009年1月1日、22歳の黒人青年が警察官に銃で撃たれて死亡した事件の亡くなる前の12月31日を描いた映画。
過去に罪を犯しているけれども家族のために前向きに人生を生きようとしている姿から、オスカーの悩みや幸福、人柄としての愛情深さなどがありのままに伝わってきます。ラストの展開がわかっているので、家族との団欒も娘との楽しい時間もこれが最期なんだよなと思うと幸せなシーンも何だかため息がでてしまいます。
日本人として生まれ日本で育っているから差別を身をもって知る事ができないですが、この映画や人種差別をテーマにしている映画を観て知る事ができます。辛い結末が多いですが、このような作品をもっとたくさん観て知る必要があると思います。
【アメリカン・スナイパー】(2014)
評価★3.9 おすすめ度88

監督:クリント・イーストウッド 脚本:ジェイソン・ホール
出演者:ブラッドリー・クーパー、シエナ・ミラー、カイル・ガルナー、ルーク・グライムス、ジェイク・マクドーマン、マーネット・パターソン、エリック・クローズ、ブライアン・ハリセイ、サム・ジェーガー、キア・オドネル、コリー・ハードリクト、エリック・ラディン、ナヴィド・ネガーバン、ジョエル・ランバート、アサフ・コーエン
ストーリー
イラク戦争に出征した米軍特殊部隊ネイビー・シールズのクリス・カイル。驚異的な命中率を誇るスナイパーとして、彼は米軍兵士の脅威となるテロリストたちをことごとく狙撃していく。だが、テロ組織に賞金を掛けられてムスタファなるスナイパーに狙われる。
解説
米軍史上最強の狙撃手と言われる実在のクリス・カイルの半生を描く。
イーストウッド監督、ブラッドリー・クーパーがクリスの家族、友人に綿密な取材を重ねて作った映画で、米国では公開当時、イラク戦争や多くを殺した事をを美化するのでは?との事で賛否が巻き起こったらしいですが、イーストウッド監督はその辺りはフラットで決して彼をただの英雄として描いている訳でなく、派遣される毎に彼の心が徐々に蝕まれていき、戦争PTSDになるという負の側面にもスポットを当てています。凄惨な映像と優しい視線で描き出す正にイーストウッド調全開の作品です。
襲撃シーンの緊迫感、戦場の臨場感やリアリティがあり、単純なヒューマニズムとか善悪で裁かず非常にドライな視点で映画が作られれているのに、きっちりエンターテイメントに仕上げられている作品で戦争映画としても文句なしの傑作だと思います。
まとめ(評価とおすすめ度)
タイトル | 評価★ | おすすめ度 |
【ある人質 生還までの398日】 | ★3.9 | 84 |
【キル・チーム】 | ★3.5 | 80 |
【スノーデン】 | ★3.7 | 78 |
【フルートベール駅で】 | ★3.9 | 86 |
【アメリカン・スナイパー | ★3.9 | 88 |
全部元ネタのニュースを知らないと衝撃的な物語、結末で余韻も残り、ネットで実際の出来事を調べてみたくなると思います。
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