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【おすすめ映画㊴】これぞ『A24』ヒューマンドラマ洋画5選

  • 8月 11, 2021
  • 8月 22, 2022
  • 洋画
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今回ご紹介する作品は【フェアウェル】【エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ】【ムーンライト】【荒野にて】【ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ】の5作品をネタバレしない程度に紹介します

オスカー常連!新進気鋭の映画会社『A24』映画やテレビ番組の製作、出資、配給を行っています。ハイセンス過ぎてストーリーは分かってもメッセージ性が伝わりにくいかもしれません。

【フェアウェル】(2019)

評価3.7 おすすめ度85

  上映時間:100分

監督:ルル・ワン 脚本:ルル・ワン

出演者:オークワフィナ、ツィ・マー、ダイアナ・リン、チャオ・シュウチェン、ジム・リュー、ギル・ペリッツ・アブラハム、Ines Laimins

ストーリー

余命3カ月の祖母に会うため、病のことを祖母に隠し、結婚式をでっちあげて中国へ帰郷したビリー一家。ビリーは祖母に真実を伝えるべきと訴えるが、家族は反対するばかり。そんななか、人生に悩んでいたビリーは祖母から生きる力を得ていく。

解説

余命わずかな祖母に会うため、嘘の結婚式を口実に集まる親戚一同。彼女に死期が近いことを言わずにしておこうとするのだが…というストーリー。

西洋と東洋の文化、死生観の違い、真実を伝えるか、愛のある嘘をつくか、という永遠に答えの出ない問答にいろいろと考えさせられます。それぞれの文化の違いや何気ない日常を丁寧に描いており、祖母とのやりとりなどちょっとしたやりとりですら愛おしくなってくる作品です。

主人公を演じるオークワフィナが、東洋人でありながら西洋的思考もあり、それゆえどうすべきか思い悩む姿をうまく演じています。その人を思う気持ちは皆んな同じなのに、文化や考え方で対立してしまう。死とは、幸せとは、色々と考えさせらるものがある心温まるヒューマンドラマです。

【エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ】(2018)

評価3.6 おすすめ度80

  上映時間:93分

監督:ボー・バーナム 脚本:ボー・バーナム

出演者:エルシー・フィッシャー、ジョシュ・ハミルトン、エミリー・ロビンソン、ジェイク・ライアン、ミッシー・ヤガー

ストーリー

中学校生活の最後の1週間を迎えたケイラは、「学年で最も無口な子」に選ばれてしまう。不器用な自分を変えようと、SNSを駆使してクラスメイトたちとつながろうとするが、人気者のケネディは冷たく、好きな男の子にもどうアプローチして良いかわからず…。

解説

必死に頑張る姿が痛々しくも、現代のティーン世代ならではの悩みや葛藤を描いているキュートな青春映画。

人生において他者との関わりを持ち出したばかりの思春期のはじめの頃の、生きづらさがグロテスクなほどに生々しく描かれていて、観ていて痛い、苦しいと感じる作品。一見、若さ故の苦しみと楽しさを存分に混ぜたような映画ですが、ケイラの悩みは結局年齢関係なく永久に人が悩んでいく事なんだと思います。

リアルすぎて本当に目を背けたくなりますが、忘れたいような思春期の1ページを真っ直ぐに描いていて、思い出したくない思春期を浄化してくれるような最高にクールな青春映画。観る人の年齢や立場で感じるものが変わるかもしれませんが、すごく地味ですが元気の貰える作品です。

【ムーンライト】(2016)

評価3.6 おすすめ度78

  上映時間:111分

監督:バリー・ジェンキンス 脚本:バリー・ジェンキンス、タレル・アルバン・マクレイニー

出演者:マハーシャラ・アリ、シャリーフ・アープ、デュアン・”サンディ”・サンダーソン、アレックス・R・ヒバート、ジャネール・モネイ、ナオミ・ハリス、トレヴァンテ・ローズ、アッシュトン・サンダース、ジャレル・ジェローム、アンドレ・ホランド

ストーリー

内気な男の子・シャロンは、学校では「リトル」というあだ名でいじめられている。家に帰っても居場所のない彼は、唯一の友人・ケヴィンとわずかな人だけに心を許し、日々を過ごしていた。やがてシャロンは、ケヴィンに友人以上の感情を抱くようになる。

解説

終始静かで言葉も必要最低限、多くを語らない映画ですが、こんなに色彩豊かで音楽も美しい映画で、こんなに悲惨で屈辱的なストーリーを描いている。

この映画であげられている差別の内容は2つ。まず黒人に対する肌の色の差別。そして次に、LGBTに対する差別。肌の色で差別される上にLGBTの問題でまで差別されている主人公であるシャロン。この映画では、LGBT、いじめ、薬物、黒人、毒親、様々な社会問題を取り入れつつ、そんな主人公シャロンが成長していく過程を三つに分け描いている作品。

シャロンのなんともいえない切ない表情。3人の役者だがその悲しげな表情が本当によく似ていて同じ人物かと思わせる演技力です。そしてマハーシャラ・アリの優しくて強い男のオーラは唯一無二。少し重くて孤独な雰囲気の映画で大人になっても弱さをまだ抱えてて、ヌルっとしたスッキリしない終わり方が映画の重さを引き立ててる感じがします。

【荒野にて】(2017)

評価3.8 おすすめ度83

  上映時間:122分

監督:アンドリュー・ヘイ 脚本:アンドリュー・ヘイ 原作:ウィリー・ヴローティン

出演者:チャーリー・プラマー、スティーヴ・ブシェミ、クロエ・セヴィニー、トラヴィス・フィメル、スティーヴ・ザーン、トーマス・マン、エイミー・サイメッツ、アリソン・エリオット、レイチェル・ペレル・フォスケット

ストーリー

父親と二人暮らしのチャーリーは、厩舎のオーナーから競走馬・ピートの世話を頼まれ、家計を助けるため引き受ける。ところがある日、愛人の夫に重傷を負わされた父が亡くなってしまう。孤独なチャーリーを心配した医師は、養護施設に連絡しようとするが…。

解説

家庭に問題を抱えた青年と競走馬の旅を軸に据えたロードムービー。題目に恥じずアメリカの荒野を青年の人生と照らして、心ゆくまで堪能することができるます。果てない地平線の空虚さは、青年たちの旅路へ淡々と終末を迫る。だが、その絶望感こそ本作における荒野の風景美を成り立たせており、またそれが本作の魅力となっているのも事実です。

馬と青年といわれれば暖かさが印象付く2要素ですが、2人の関係性は、ほぼ一方通行でそれによって青年の寂しさが、より鮮烈に画面全体を覆っています。さらに、青年による身の上話の展開が、ここに至ることのどうしようもない必然性を醸し出し、行き場のない孤独感を秀逸に伝えています。その中にあって、唯一の心の支えが崩壊したあの瞬間の途方もなさは筆舌尽くし難い。取り残される孤独感がダイレクトに情緒を突き刺してきます。

その寂しさがあるからこの映画はすこぶる美しく、アメリカの平原、及び荒野の美徳を分からされる、空虚な人生を覗き、上品な孤独感に包まれる素敵な映画だと思います。

【ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ】(2019)

評価3.6 おすすめ度76

  上映時間:120分 

監督:ジョー・タルボット

出演者:ジミー・フェイルズ、ジョナサン・メイジャーズ、ロブ・モーガン、ティチーナ・アーノルド、フィン・ウィットロック、ダニー・グローヴァー、ジェロ・ビアフラ、ソーラ・バーチ

ストーリー

サンフランシスコ育ちのジミーは、祖父が建て、家族との思い出が宿るビクトリアン様式の美しい家を愛していた。ある日、現在の家主が家を売りに出す。再びあの家を手に入れたいと、ジミーは隔たりのある父に思いを語り、友人に支えられながら奔走する。

解説

IT関連企業とベンチャー企業の発展により、多くの富裕層が暮らす街となったサンフランシスコ。都市開発により取り残されてしまった人たちのリアルな姿を描いたヒューマンドラマ。

ストーリーは分かりますがテーマが多すぎて、どういうメッセージの映画か分かりにくくサンフランシスコの都市開発にまつわる知識がないと、いまいちピンと来ないのかもしれません。サンフランシスコに住んでた人が感じる、ここ何年かの異常な開発と土地の暴騰による町の異様な違和感や雰囲気を上手く映像化しています。

アメリカ、特に海岸沿いの都市で深刻な住宅問題をハリウッドにありがちな社会問題と戦うヒーロー物語として描くのではなく、幼少期を過ごした家への愛着という非常にパーソナルな視点でセンスの良い映像と音楽と共に描かれている作品です。

まとめ(評価とおすすめ度)

タイトル評価おすすめ度
【フェアウェル】3.785
【エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ】3.680
【ムーンライト】3.678
【荒野にて】3.883
【ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ】3.676

【ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ】が少し感情移入しにくいかもしれません。

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