今回ご紹介する作品は【ドリーム】【博士と狂人】【ジャージー・ボーイズ】【キンキーブーツ】【ビリーブ 未来への大逆転】の5作品をネタバレしない程度に紹介します。
ある程度の脚色はしてあるでしょうが実際に起きた出来事に、実在したの人物の心情の変化に寄り添うヒューマンドラマには心を揺さぶられます。
【ドリーム】(2016)
評価★4.1 おすすめ度90
監督:セオドア・メルフィ 脚本:セオドア・メルフィ、アリソン・シュローダー
出演者:タラジ・P・ヘンソン、オクタヴィア・スペンサー、ジャネール・モネイ、ケヴィン・コスナー、キルスティン・ダンスト、ジム・パーソンズ、マハーシャラ・アリ、オルディス・ホッジ、グレン・パウエル、キンバリー・クイン、オレク・クルパ
ストーリー
1961年、東西冷戦下のアメリカとソ連は熾烈な宇宙開発競争の真っただ中にあった。ソ連は史上初の有人宇宙飛行を成功させ、先を越されたNASAに過度なプレッシャーが掛かる中、3人の黒人女性数学者は人種差別を乗り越えて計画を成功に導いていく。
解説
NASAの有人宇宙飛行計画を陰で支えた3人の黒人女性を描いた実話ドラマ。
アメリカとソ連が熾烈な宇宙開発競争を繰り広げていた1960年代初頭、能力が充分に発揮できない環境の中で、差別や偏見に苦しみながらも道を切り開き、それぞれの居場所を確保する黒人女性たちの姿が胸を熱くします。彼女たちにはプライドがあり熱意があり、揺るぎない心で人種差別や女性差別の壁を乗り越えていきます。
テーマは重いですが、力強い人間ドラマの中に心温まる恋愛劇や軽快な音楽がバランス良く挿入され、メッセージ性と娯楽性がある、ポジティブな気持ちにさせてくれる作品だと思います。
女優陣の名演、何気にレトロで可愛いファッションに存在感がたっぷりで、NASAの本部長のケビン・コスナーも、らしい役柄で魅力的な上司を演じています。
【博士と狂人】(2018)
評価★3.8 おすすめ度80
監督:P.B. シェムラン
出演者:メル・ギブソン、ショーン・ペン、ナタリー・ドーマー、エディ・マーサン、スティーヴ・クーガン、ヨアン・グリフィズ、ジェニファー・イーリー、ジェレミー・アーヴァイン、エイダン・マクアードル、アダム・ファーガス、デヴィッド・クローリー
ストーリー
学士号を持たない言語学博士・マレーは、オックスフォード大学で英語辞典の編さん計画を進めていた。プロジェクトが困難を極めるなか、謎の人物から大量の資料が送られてくるように。その正体は、殺人を犯し精神を病んだ元軍医・マイナーだった。
解説
歴史上最も多くの英語60万語が記載された辞典の礎を築いた異端の博士と、戦争帰りで精神病を患い殺人を犯してしまったドクターの実話に基づく作品。
物語自体は英語辞典の編纂よりも編纂者の博士や他の登場人物と精神病の狂人との関係や、やり取りに重きを置かれています。学術社会、犯罪、精神病患者の扱い、その治療法など多岐にわたるテーマがあります。
普段アクションのイメージの強いメル・ギブソンの知的なキャラも、ショーン・ペンの狂人演技も良く、「時に言葉は心の拠り所となる事があるし、反対に凶器になる事もある」この言葉と同じ、対極にいるマレーとマイナーの友情も描かれた、とても重圧で渋い作品です。
【ジャージー・ボーイズ】(2014)
評価★3.9 おすすめ度87
監督:クリント・イーストウッド 脚本:マーシャル・ブリックマン
出演者:ジョン・ロイド・ヤング、フランチェスカ・イーストウッド、クリストファー・ウォーケン、エーリヒ・バーゲン、ジェームズ・マディオ、ビリー・ガーデル、キャスリン・ナルドゥッチ、マイク・ドイル、ショーン・ウェーレン、ヴィンセント・ピアッツァ、スティーヴ・シリッパ、アリア・プルマン、バリー・リヴィングストン
ストーリー
ニュージャージーに住むフランキーは、マフィアのボスを涙させるほどの美声を持つ少年。幼なじみのトミーは彼と才能ある作曲家ボブをバンドに迎え、デビューを目指す。そして遂に「シェリー」が大ヒット。彼らはたちまちスターの階段を駆け上がるのだが…。
解説
ビートルズが世界を席巻する少し前、世界規模で成功したアメリカ発の4人組グループ『フォー・シーズンズ』の成功と苦悩を描いた伝記映画。
淡々と、しかし飽きさせないストーリーと展開はさすがクリント・イーストウッド、演者が語りかけてくる演出が新鮮で60年代に自分も入り込んでるみたいな感覚になります。劇中、数々流れる曲を知らなくても「君の瞳に恋してる」「シェリー」など曲名を知らなくてもきっと、どこかで聴いたことがあり、サクセスストーリーとも相まって作品として面白く観れると思います。
変に偏ったり湿っぽい部分は最小に止まり、淡々とバンドを描く気持ちのいいドラマに仕上がっていて、この映画にとって、これ以上の終わり方は無いだろうと思わせてくれる、最高の最後の20分の良さに打ちのめされる作品です。
【キンキーブーツ】(2005)
評価★3.8 おすすめ度85
監督:ジュリアン・ジャロルド 脚本:ジェフ・ディーン、ティム・ファース
出演者:ジョエル・エドガートン、キウェテル・イジョフォー、サラ=ジェーン・ポッツ、ジェミマ・ルーパー、リンダ・バセット、ニック・フロスト、ユアン・フーパー、ロバート・パフ、スティーヴン・マーカス、モナ・ハモンド
ストーリー
父の訃報を受け、伝統ある靴工場の4代目となったチャーリー。だが工場は倒産寸前で八方ふさがりの状態だった。ある日、やけ酒をあおっていた彼はドラァグクイーンのローラと出会う。チャーリーは彼女らに受けるキンキーブーツ市場を開拓しようと考えるが…。
解説
倒産寸前の靴工場が一発逆転の賭けに出る実話をもとにした英国産ハートフル・ヒューマンドラマ。ブロードウェイでミュージカル化されている。
ストーリーの流れ自体は割と王道でテンポが良くてサクサク物語が進んで心地よいです。テーマは重めですが明るい雰囲気でコメディタッチのため、他のLGBTQを扱った作品よりも気軽に観やすいです。靴工場の経営者と、自分らしさを模索するドラッグクイーンの友情物語が展開され、自分らしく生きることを物語を通じて伝えてくる演出は素晴らしいと思います。
キウェテル・イジョフォー演じるローラがとても魅力的で大柄な筋肉美と ドスの利いた声がたまらないです。ただ時代遅れの紳士靴工場を立て直すというだけでなく、多様性に寛容な社会をイメージさせるのが工場現場が体現する形で表現されいてメッセージ性も強く、起承転結がしっかりした非常に観やすく面白い作品です。
【ビリーブ 未来への大逆転】(2018)
評価★3.9 おすすめ度86
監督:ミミ・レダー 脚本:Daniel Stiepleman
出演者:フェリシティ・ジョーンズ、アーミー・ハマー、ジャスティン・セロー、スティーヴン・ルート、ケイリー・スピーニー、キャシー・ベイツ、サム・ウォーターストン、ジャック・レイナー、マイケル・ディックソン、フランシス・X・マッカーシー、アンジェラ・ガルッポ、Arlen Aguayo-Stewart、ドーン・フォード、ジョー・コブデン、Karl Graboshas
ストーリー
アメリカの貧しいユダヤ人家庭に生まれたルース・ギンズバーグだったが、努力の末にハーバード法科大学院に入学。夫・マーティの協力のもと、首席で卒業するが就職先は見つからない。大学教授を続けるルースは、マーティからある訴訟記録を見せられ…。
解説
アメリカ連邦最高裁判事の代表的なリベラル派判事であり、性差別の撤廃に積極的であった法律家ルース・ベイダー・ギンズバーグが、性差別撤廃の一歩を踏み出した裁判にフォーカスした伝記映画。
今現在を生きる私たちには、共働きも男女の平等な働き方、生活が当たり前なものになってきていますが、たった100年前は、たった50年前までは、全然違う時代だったんだと驚かされる作品。そこには本当に多くの男性女性や人種間での訴えや努力や決意が、血の滲む行動によって変わってこれた結果なんだなと思います。
差別、法律の話ではありますが難しい話ではありません。作中、判決の実例などの固有名詞が多く、その辺の歴史的背景や文化を知らない者にとって、やや没入しにくいかもせれません。女が女らしさでなく、男が男らしさでなく、自分らしさを追及できる世の中にしていくために、私たちもあらゆる事に疑問を持ちながら、まだまだ現在でも夫婦同姓合憲など多くの性別差のある法律、判決がありますので、この作品を観て改めて考えていきたいです。
まとめ(評価とおすすめ度)
タイトル | 評価★ | おすすめ度 |
【ドリーム】 | ★4.1 | 90 |
【博士と狂人】 | ★3.8 | 80 |
【ジャージー・ボーイズ】 | ★3.9 | 87 |
【キンキーブーツ】 | ★3.8 | 85 |
【ビリーブ 未来への大逆転】 | ★3.9 | 86 |
【博士と狂人】は少し眠気を誘いますが他の作品は見入ってしまいます。
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