今回ご紹介する作品は【ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド】【アメリカン・ギャングスター】【アルゴ】【スポットライト 世紀のスクープ】【聖なる犯罪者】の5作品をネタバレしない程度に紹介します。
派手なアクション、過度な演出など、ほとんど無いので地味ですが、実話をもとに作られた作品なので人間という難しい物体を鮮やかに生々しく描いていて、とても引き込まれると思います。
【ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド】(2019)
評価★3.9 おすすめ度84
監督:クエンティン・タランティーノ 脚本:クエンティン・タランティーノ
出演者:レオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピット、マーゴット・ロビー、エミール・ハーシュ、マーガレット・クアリー、ティモシー・オリファント、ジュリア・バターズ、オースティン・バトラー、ダコタ・ファニング、ブルース・ダーン、ルーク・ペリー、ダミアン・ルイス、アル・パチーノ、ニコラス・ハモンド、ジェームズ・マースデン、ティム・ロス、マイケル・マドセン、マヤ・サーマン=ホーク、カート・ラッセル
ストーリー
リック・ダルトンは人気のピークを過ぎたテレビ俳優。そんな彼を支えるクリフ・ブースはスタントマンであり親友でもある。ある日、映画スターへの転身を目指し焦るリックの隣家に、ロマン・ポランスキー監督とシャロン・テート夫妻が越してくる。
解説
ハリウッドを震撼させた実際に起こった『シャロン・テート殺人事件』
新進気鋭のハリウッド若手女優シャロン・テートが自宅で友人共々メッタ刺しにされ殺害された事件で、殺害指示を出した張本人との接点はほとんどなく、実行犯の男女4人は自分達が誰を殺したのかさえ翌日のニュースを見るまで知らなかったという、デタラメすぎる事件。
映画愛の強いタランティーノが作りたいものと、この事件を上手く融合させて作った映画で、この事件とチャールズ・マンソンの予備知識が無いと何を観せられているのか全然分からないまま終わる作品。
何気ない日常のシーンでも見入ってしまうのはキャスト陣の演技力の賜物で、ひたすらに初共演のディカプリオとブラピがカッコいい映画でもあります。
【アメリカン・ギャングスター】(2007)
評価★3.7 おすすめ度81
監督:リドリー・スコット 脚本:スティーヴン・ザイリアン
出演者:デンゼル・ワシントン、ラッセル・クロウ、キウェテル・イジョフォー、キューバ・グッディング・Jr、ジョシュ・ブローリン、テッド・レヴィン、アーマンド・アサンテ、ジョン・オーティス、ジョン・ホークス、カーラ・グギーノ、RZA、ルビー・ディー、コモン、ライマリ・ナダル、ロジャー・グーンヴァー・スミス、マルコム・グッドウィン、ユル・ヴァスケス、リッチー・コスター、ワーナー・ミラー、アルバート・ジョーンズ、J・カイル・マンゼイ、ティップ・ハリス(T.I.)、ジョン・ポリト、ケイディー・ストリックランド、ロジャー・バート、リック・ヤン、イドリス・エルバ、ノーマン・リーダス
ストーリー
ハーレムを仕切るギャングのボスに15年間仕えてきた運転手のフランクは、ボスの死を機に独立。東南アジアの麻薬の密輸密売を手掛け、マフィアも一目置く麻薬王へとのし上がる。だが麻薬捜査官、リッチー・ロバーツの追及の手が伸びようとしていた。
解説
ラッセル・クロウ演じる麻薬取締官が麻薬王のデンゼル・ワシントンを追い詰めていく、実話をもとにした硬派なクライム・サスペンス。ふてぶてしく泥臭く賄賂を拒否する頑固な刑事を演じたラッセル・クロウも良いが、サクセスストーリーを実現するダークヒーローを演じたデンゼル・ワシントンがとにかく良い。
単なるギャングと刑事の追っかけっこではなく、警官の汚職、黒人の進出、ベトナム戦争、資本主義の進歩と、ハーレムの貧困、色んな要素が絡んでいるのが話に厚みを出していて、長尺ですが飽きずに最後まで楽しめると思います。
キャスト陣の演技も良く、題材だけでも渋いのに、そこに名優たちの好演が相まってさらに渋さが増した、激しいアクションもなくて淡々としていますが、男くさい世界にシビれる骨太な作品です。
【アルゴ】(2012)
評価★3.8 おすすめ度83
監督:ベン・アフレック 脚本:クリス・テリオ
出演者:ベン・アフレック、ブライアン・クランストン、アラン・アーキン、ジョン・グッドマン、ヴィクター・ガーバー、テイト・ドノヴァン、クレア・デュヴァル、スクート・マクネイリー、ロリー・コクレイン、クリストファー・デナム、ケリー・ビシ、カイル・チャンドラー、クリス・メッシーナ、ジェリコ・イヴァネク、タイタス・ウェリヴァー、キース・ザラバッカ、リチャード・カインド、ボブ・ガントン、リチャード・ディレーン、オミッド・アブタヒ、ペイジ・レオン、シェイラ・ヴァンド、マット・ノーラン、J・R・カシア、ロブ・ブラウンスタイン、デヴィッド・サリヴァン、ジョン・ボイド、スコット・アンソニー・リート、マイケル・パークス、エイドリアン・バーボー、リンゼイ・ギンター、テイラー・シリング
ストーリー
1979年11月。イランの過激派がアメリカ大使館を占拠し、52人もの人質を取る事件が発生。その際、裏口から6人の職員がひそかに脱出し、カナダ大使の家に身を隠していた。CIAのトニー・メンデスは、彼らを救出するべくある作戦を提案するが…。
解説
イラン革命下で起こったアメリカ大使館人質事件をもとにしたサスペンス作品。
序盤はとっつきにくく、アクションとかも無いので少しダレますが、この映画の面白い所は、ほぼ不可能に近い作戦をどうやって成功させるか?にあると思います。その下準備からがだんだんと面白くなっていく作品。結果が分かっていても終盤はハラハラドキドキさせてくれます。深刻さだけがクローズアップにならないようなバランスの良さがエンタメ作品として、とても楽しめます。
映画みたいな本当の話を映画化した作品なので物語が面白いのは納得として、さらにそれを緊張感と熱い展開で楽しませてくれた良い作品だと思います。
【スポットライト 世紀のスクープ】(2015)
評価★3.8 おすすめ度80
監督:トーマス・マッカーシー 脚本:トーマス・マッカーシー、ジョシュ・シンガー
出演者:レイチェル・マクアダムス、マーク・ラファロ、マイケル・キートン、スタンリー・トゥッチ、リーヴ・シュレイバー、ビリー・クラダップ、ジョン・スラッテリー、ジェイミー・シェリダン、ポール・ギルフォイル、ブライアン・ダーシー・ジェームズ、ラナ・アントノーヴァ
ストーリー
2001年の夏、ボストン・グローブ紙の編集局長に着任したマーティは、神父による性的虐待事件の追跡調査を決定。特集記事欄「スポットライト」を手がけるロビーら4人の記者がその任に当たり、やがて事件の背後に隠された教会のおぞましい実態を探り当てる…。
解説
ボストン地方紙の記者たちがカトリック教会の真実を暴いた実話に基づく社会派ドラマ。
静かに話は進むので淡白に思えるかもしれないが、余計なものを削ぎ落とし、伝えたい真実を過度なフィルターを通さず透明性を持って視聴者に伝えており、モデルになった人達の思いや使命を背に正しく多くの人に真実を伝えることへの決意を感じます。
淡々と事実を積み重ねていく脚本で過度な演出もなく映画としては地味だけど、小さな記事から大きな真相が明らかになっていく過程は見応えがあり、取材に邁進する記者たちの姿はドキュメンタリーを見ているようで楽しめる作品です。
【聖なる犯罪者】(2019)
評価★3.8 おすすめ度82
監督:ヤン・コマサ 脚本:マテウシュ・パツェビチュ
出演者:バルトシュ・ビィエレニア、エリーザ・リチェムブル、アレクサンドラ・コニェチュナ、トマシュ・ジェンテク、レシュク・リホタ、ルカース・シムラット
ストーリー
少年院でキリスト教徒となった青年・ダニエルは、前科者は聖職者になれないと知りながらも、神父になることを夢見ていた。仮釈放が決まり、ダニエルは田舎の製材所に就職することに。製材所への道中、ダニエルは立ち寄った教会で新任の司祭と勘違いされ…。
解説
ポーランド映画の独特な雰囲気全開の実話をもとにした作品。
主人公に始まり、アル中の司祭、事故の記憶に苛まれる村人たち、迫害を受けつつ秘密を隠す未亡人、これ見よがしに権力を振りかざす町長、誰もが仮面をつけ社会のロールをプレイしているような、柔らかく分厚い膜に覆われたようなコミュニケーションの断絶、得体の知れない距離感と非現実感。そんな中、偽物であろうと、犯罪者であろうと、彼の真摯に人の心のそばにあろうとした姿は、真の聖職者たる姿だと思います。そんな彼ですら酒タバコドラッグには打ち勝てない矛盾を抱えた人物として描かれていることに共感します。
終始クライム/バイオレンス・ドラマのような緊迫感あり、村人たちの矛盾、優しさと醜さ、ダニエルの利己主義と利他主義、宗教への賛美と風刺、相反するものがギュッと詰まった、人間という難しい物体を鮮やかに生々しく描いた作品。
まとめ(評価とおすすめ度)
タイトル | 評価★ | おすすめ度 |
【ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド】 | ★3.9 | 84 |
【アメリカン・ギャングスター】 | ★3.7 | 81 |
【アルゴ】 | ★3.8 | 83 |
【スポットライト 世紀のスクープ】 | ★3.8 | 80 |
【聖なる犯罪者】 | ★3.8 | 82 |
【スポットライト 世紀のスクープ】は人によっては眠気を誘いまくるかも。
※無料で映画を観たい方⇒詳細はコチラ
私が最初、動画配信サービスを利用しだしたのはアニメを観たいと思ったからです。月額が1026円と安いHulu(フールー)を利用してみて数か月、国内事業が日本テレビに買収されたこともあり、アニメだけじゃなくドラマやバラエティー番組など、比較的[…]