今回ご紹介する作品は【ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密】【シャッターアイランド】【バーニング 劇場版】【鑑定士と顔のない依頼人】【グランド・ブダペスト・ホテル】の5作品をネタバレしない程度に紹介します。
ミステリー映画とは探偵映画、推理映画、謎がドラマに深くかかわっている映画作品で、謎を解く行為によってドラマが展開していくことが多い。しかし謎は不安感や緊張感を煽ることも多いので、スリラー映画やサスペンス映画との区別は明確ではない。
【ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密】(2019)
評価★3.8 おすすめ度86

監督:ライアン・ジョンソン 脚本:ライアン・ジョンソン
出演者:ジェイミー・リー・カーティス、アナ・デ・アルマス、マイケル・シャノン、クリス・エヴァンス、トニ・コレット、ダニエル・クレイグ、キャサリン・ラングフォード、ラキース・スタンフィールド、クリストファー・プラマー、ジェイデン・マーテル(ジェイデン・リーバハー)、ドン・ジョンソン
ストーリー
世界的ミステリー作家で大富豪のハーラン・スロンビーが85歳の誕生日を迎えることになり、館でパーティが催された。翌朝、ハーランは遺体で発見される。名探偵、ブノワ・ブランは匿名の人物からこの事件の調査依頼を受け、パーティの参加者を調べ始める。
解説
現代アメリカを舞台に格差や移民問題、リベラルをからめつつ表面的には気の良い人達が、内包する差別思想や利己的な面が遺産相続の問題で炙り出されるというオールドミステリーを現代的に刷新した作品。
殺人事件なのに悲壮感はあまりない。推理で難事件を解決というよりも、ドタバタ芝居のアンサンブルを楽しむライトなエンターテインメント映画といった感じですが、中盤で事件の大筋が判明しつつも物語が二転三転します。謎が解かれていく展開が秀逸で程よい難度で時系列の違いも分かりやすくノーストレスで観られるミステリー。
登場人物も多いですが豪華俳優陣それぞれの演技力で個性的なキャラクター達に仕上がっていて、テンポの良さ、鮮やかな真相究明、伏線回収などクオリティーも高く、予想外の展開に最後まで楽しめる作品です。
【シャッターアイランド】(2009)
評価★3.8 おすすめ度88

監督:マーティン・スコセッシ 脚本:レータ・カログリディス
出演者:レオナルド・ディカプリオ、マーク・ラファロ、ベン・キングズレー、ミシェル・ウィリアムズ、エミリー・モーティマー、マックス・フォン・シドー、パトリシア・クラークソン、ジャッキー・アール・ヘイリー、イライアス・コティーズ、テッド・レヴィン、ジョン・キャロル・リンチ、クリストファー・デナム、カーティス・クック
ストーリー
ボストンの沖合に浮かぶ「シャッター アイランド」には、精神を病んだ犯罪者を収容する病院があった。四方を海に囲まれたこの島からある時、ひとりの女性患者が姿を消す。連邦保安官テディ・ダニエルズは捜査のため相棒チャックとともにこの島を訪れるが…。
解説
映画全体の鬱屈とした雰囲気や誰を信じていいのか分からないようなクセのある登場人物たちのおかげで、どのように話が展開していくのか先が読めず、ワクワク感は損なわれずに2時間強、ずっと引き込まれ続ける映画です。
世界観、演技、ストーリー全てにおいて素晴らしいのですが、特に不気味過ぎる世界観でもあの際立つ演技力はさすがレオナルド・ディカプリオ。ただのイケメンアイドル俳優ではありません。自信に満ちた、そして時に不安に苛まれた、相反する姿を絶妙に描くバランス感溢れる彼の演技があってこそ、物語がどのように転んでいくか分からないドキドキ感が醸成されたように思います。
伏線の量が多く、複数回観てるからこそ分かる細かな部分まで作り込まれている作品で終盤にどんでん返しもあります。最後の一言をどう受け取るかで、終盤の種明かしのシーンに全く違う解釈が生まれると思います。
【バーニング 劇場版】(2018)
評価★3.7 おすすめ度80

監督:イ・チャンドン 原作:村上春樹
出演者:ユ・アイン、スティーヴン・ユァン、チョン・ジョンソ、キム・スギョン、チェ・スンホ、ムン・ソングン
ストーリー
フリーターのジョンスは幼馴染みのヘミと偶然再会し、互いのことを語りあう。そして、彼女はジョンスに猫の世話を頼んでアフリカ旅行へと出かけていく。それから半月後、ヘミはナイロビ空港で出会った青年・ベンと共に帰国。以来、3人は仲を深めていくが…。
解説
村上春樹の短編小説『納屋を焼く』が韓国で映画化。何かが起こりそうな、でも起こらなさそうな、ずっと不思議な感覚に包まれる映画。
映像が全体的にシンプルでスマート、構成が美しいのだけれど終始重くて胸糞悪い、そしてしっかり社会的メッセージを伝えてくるこの感じは韓国映画にしか出せない味だと思います。
様々な解釈ができる余白の多い作品であり色々なところに謎が残ります。しかし、この物語は作家志望の男の目線という信頼できない語り手によって進んでいくため、解釈に正解を求めるべきでは無いということが唯一明確に提示されているとも捉えられる。原作とは設定がずいぶん違うらしいですが村上春樹らしい作品。
【鑑定士と顔のない依頼人】(2013)
評価★3.7 おすすめ度87

監督:ジュゼッペ・トルナトーレ 脚本:ジュゼッペ・トルナトーレ
出演者:ジェフリー・ラッシュ、ジム・スタージェス、シルヴィア・フークス、ドナルド・サザーランド、フィリップ・ジャクソン、ダーモット・クロウリー、キルナ・スタメル、リヤ・ケベデ、ゲン・セト、ジョン・ベンフィールド
ストーリー
オークション専門の美術鑑定士ヴァージルは、決して姿を見せようとしない女性から亡き両親の屋敷に遺した美術品の鑑定を依頼される。屋敷に赴いて鑑定をするなか、依頼人の女性が隠し部屋に潜んでいるのを知ったヴァージルは、彼女に激しい興味を持つように。
解説
タイトルから美術をテーマにした探偵モノを想像しそうですが、ジャンル分けの難しい作品で、ヒューマンドラマでもあり、ミステリーでもあり、ラブストーリーでもある。
前半は少し難しく感じたのと、途中まで少し変わったラブストーリーとして進んでいくのかと思わせる内容だったが、展開的に物語が大きく動く後半がかなり面白いです。解説を読むとあらゆるところに伏線があり、所々に考えさせられるセリフも散りばめられているところも素晴らしいですが、観る人によっては、なかなか胸糞な内容と取れるかもしれません。
この物語はヴァージルにとって不幸なものだったのか、幸せなものだったのか、観る人によって感想は変わり余韻が心に重くのしかかってくる作品です。
【グランド・ブダペスト・ホテル】(2013)
評価★3.8 おすすめ度85

監督:ウェス・アンダーソン 脚本:ウェス・アンダーソン
出演者:ビル・マーレイ、エイドリアン・ブロディ、エドワード・ノートン、シアーシャ・ローナン、ジェフ・ゴールドブラム、ウィレム・デフォー、ティルダ・スウィントン、ジュード・ロウ、ジェイソン・シュワルツマン、マチュー・アマルリック、F・マーリー・エイブラハム、オーウェン・ウィルソン、レイフ・ファインズ、ハーヴェイ・カイテル、トム・ウィルキンソン、トニー・レボロリ、レア・セドゥ
ストーリー
今は寂れてしまったグランド・ブダペスト・ホテルのオーナー、ゼロ・ムスタファにはいくつもの謎があった。ある作家は好奇心に駆られ、オーナーに話を乞う。彼はベルボーイとして働き始めた頃に起きた事件と、師であるコンシェルジュについて語り始める。
解説
神経質なまでに完璧主義の美しいシンメトリーと映像的な愉快さと心躍る豊かな色調、そして何より生き生きとしたキャラクター。ウェス・アンダーソン監督らしい作品ですが、この監督の作品は観る人を選び、ハマる人にはハマると思います。
とにかく色彩が綺麗でユーモアがあって世界観がしっかりと出来上がっている映画。冒頭のケーブルカーのシーンやホテルの全景が平坦なのと、可愛らしい色使いで絵本の中に入って行く様な演出が良い。
ストーリー、色遣い、配役、カメラワーク、音楽、全てが完璧で、ミステリーよりもコメディ要素多めで、残酷ですが可愛さでカバーされてるので、とても観やすい作品です。
まとめ(評価とおすすめ度)
タイトル | 評価★ | おすすめ度 |
【ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密】 | ★3.8 | 86 |
【シャッターアイランド】 | ★3.8 | 88 |
【バーニング 劇場版】 | ★3.7 | 80 |
【鑑定士と顔のない依頼人】 | ★3.7 | 87 |
【グランド・ブダペスト・ホテル】 | ★3.8 | 85 |
【ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密】【グランド・ブダペスト・ホテル】はコメディ要素があるので明るめだがそれ以外は暗めの雰囲気。
※無料で映画を観たい方⇒詳細はコチラ
私が最初、動画配信サービスを利用しだしたのはアニメを観たいと思ったからです。月額が1026円と安いHulu(フールー)を利用してみて数か月、国内事業が日本テレビに買収されたこともあり、アニメだけじゃなくドラマやバラエティー番組など、比較的[…]