今回ご紹介する作品は【ハートストーン】【彼の見つめる先に】【ウォールフラワー】【mid90s ミッドナインティーズ】【きっと、うまくいく】の5作品をネタバレしない程度に紹介します。
青春(せいしゅん)は、季節の「春」を示す言葉である。転じて、生涯において若く元気な時代、主に青年時代を指す言葉として用いられる。文学の中では中学、高校生を中心とした10代の青少年を題材に描かれることが多いが、近年の先進国では、大学進学率の向上により学生の高年齢化が進み、20代から30代までを「青春」に含む見方もある。
【ハートストーン】(2016)
評価★3.8 おすすめ度82
監督:グズムンドゥル・アルナル・グズムンドソン 脚本:グズムンドゥル・アルナル・グズムンドソン
出演者:バルドル・エイナルソン、ブラーイル・ヒンリクソン、Diljá Valsdóttir、Katla Njálsdóttir、ニーナ・ドッグ・フィリップスドッティル、スベイン・オラフル・グンナルソン、グンナル・ヨンソン
ストーリー
東アイスランドの小さな漁村。ソールとクリスティアンは幼なじみで大親友。思春期に差し掛かり、ソールは大人びた美少女・ベータのことが気になり始める。そんなソールの気持ちを知ったクリスティアンは、ふたりがうまくいくように後押しするが…。
解説
アイスランドの漁村に住む少年達と彼らを取り巻く家族、友人、そして恋愛を描いた青春映画。心と身体のバランスが不安定な故に、もがきながら成長していく少年たちの心理描写が素晴らしいです。
設定は割と普通ですが、ただの同性愛をテーマにおいた作品だけで収まってなく、時間をいっぱいいっぱいに使いながら本当にゆっくりと気持ちの変化を描いています。友情と愛情の境界が曖昧になり、どうしたら良いのか困惑してしまい、感情を思いっ切り出したり、逆に言葉にも出来ない微妙な気持ちも表現したりと全体的に緩急がついていて良いです。
田舎の狭いコミュニティの中で生きることは常に対面を保つことで、登場人物は全員それぞれの世間体を気にしながら生きているように見え、そこに閉塞感を感じます。一見美しく見える自然豊かなアイスランドの漁村という環境は思春期の少年に生きづらさをもたらす、という話です。半分は実話らしく、実話の方は最悪の結末だったらしいけれど、映画の方は朧げに光が見えたエンディング。
【彼の見つめる先に】(2014)
評価★4.0 おすすめ度83
監督:ダニエル・ヒベイロ 脚本:ダニエル・ヒベイロ
出演者:ジュレルメ・ロボ、ファビオ・アウディ、テス・アモリン、ルシア・ホマノ、エウシー・デ・ソウザ、セウマ・エグレイ
ストーリー
目の見えないレオは高校生。ちょっと過保護な両親とおばあちゃん、いつも支えてくれる幼馴染みのジョヴァンナに囲まれて、初めてのキスと留学を夢見ていた。ある日、クラスに転校生のガブリエルがやってきて、彼とレオ、ジョヴァンナは親しくなっていく。
解説
障害や同性愛という社会的に困難を抱える人たちをテーマの中心に据えながら、爽やかなタッチで希望ある青春映画として描いた作品。
盲目の少年と親友の女の子、それと転校生の男の子が織りなす友情と恋愛の物語。盲目やLGBTと言った重めの要素が散りばめられているが、この話は思春期の心の動きや甘酸っぱさを爽やかに描いているので、ちょっとBLに抵抗ある人でもライトに楽しめると思います。
絶妙な関係性の三人もリアリティがあり、特に純粋な盲目の青年を演じる俳優の演技が見事でハッピーエンドを願わずにいられない。友情でも恋愛でも一切、ドロドロした感じがない爽やかで、切なくて可愛くて胸のときめきが止まらない作品です。
【ウォールフラワー】(2012)
評価★3.8 おすすめ度84
監督:スティーヴン・チョボスキー 脚本:スティーヴン・チョボスキー
出演者:ローガン・ラーマン、エマ・ワトソン、エズラ・ミラー、ポール・ラッド、ディラン・マクダーモット、ケイト・ウォルシュ、メイ・ホイットマン、ジョーン・キューザック、ニーナ・ドブレフ、ジュリア・ガーナー
ストーリー
小説家志望の16歳、チャーリーはスクールカースト最下層に位置づけられ、ひっそりと高校生活を送っていた。そんなある日、陽気でクレイジーなパトリックと美しく奔放なサムの兄妹に出会い、チャーリーの日々は一変。友情と恋を知り、世界が広がり始めるが…。
解説
アメリカで大ヒットした小説が原作のみんな重いバックグラウンドを抱えた繊細な青春映画。
よくある高校青春映画ですが、人の痛みまで追体験してしまうほど繊細な主人公を通して、世の中の生きづらさや、受け入れてもらえる喜びなど、感情の機微がとても丁寧に描かれた作品。エマ・ワトソンが映画化を熱望したというこの物語はスクールカーストを始めとするアメリカの高校生が抱える様々な問題が描かれています。
本当に分かり合える少しの友達と、いつでも駆けつけてくれる家族と、夢を応援してくれる大人がいるチャーリーの世界が素敵で、暗い過去に背を向けて新たな一歩を踏み出す若者たちを描いた素晴らしい作品だと思います。
【mid90s ミッドナインティーズ】(2018)
評価★4.0 おすすめ度80
監督:ジョナ・ヒル 脚本:ジョナ・ヒル
出演者:サニー・スリッチ、キャサリン・ウォーターストーン、ルーカス・ヘッジズ、ナケル・スミス、ジェロッド・カーマイケル
ストーリー
1990年代半ばのロサンゼルス。13歳の小柄なスティーヴィーは、力の強い兄・イアンに全く歯が立たず、早く彼を見返してやりたいと願っていた。そんなある日、街のスケートボード・ショップを訪れたスティーヴィーは、店に出入りする少年たちと知りあい…。
解説
俳優ジョナ・ヒルが初監督・脚本を手がけ、自身が少年時代を過ごした1990年代のロサンゼルスを舞台に、13歳の少年の成長を描いた作品。90年代のスケートボード・キッズたちのドラマ性のある青春物語というよりは、青春ドキュメンタリーチックな作風。
フィルム撮影の映像や、ファッション、街の様子など、90年代の雰囲気がリアルに伝わってきます。途中から、90年代の話ではなく現代の話のように感じるのは、貧富の問題や差別、家庭環境問題は90年代も現代もそんなに変わってないのかもしれません。
多くは語られず淡々と進んでいく物語ですが、登場人物の人間模様や心情描写が丁寧に描かれているから、それぞれのキャラに感情移入しやすく、観点によって人ぞれぞれの余韻を残す映画だと思います。
【きっと、うまくいく】(2009)
評価★4.3 おすすめ度88
監督:ラージクマール・ヒラニ 脚本:ラージクマール・ヒラニ、アビジット・ジョシ
出演者:アーミル・カーン、R・マーダヴァン、シャルマン・ジョシ、カリーナ・カプール、ボーマン・イラニ、オミ・ヴァイディア、モナ・シング、ジャーヴェード・ジャーフリー、パリークシト・サーハニー、アリ・ファザル、サンジャイ・ラフォン
ストーリー
インドの超難関理系大学・ICEに入学したランチョー、ファラン、ラージューの3人は、バカ騒ぎを繰り返し鬼学長を激怒させていた。彼らが卒業してから10年後、ランチョーが行方不明となり、ファランとラージューは彼を捜す旅に出るのだが…。
解説
エリート大学に合格した超天才の自由人ランチョーと2人の親友のハートフルコメディ。
大学時代の過去パートと大学卒業した現在パートを行き来しながら進んでいくお話。基本的な青春コメディの中に、インドの社会問題への風刺やミステリー要素も混ざっていて3時間近くある長い作品ですが、無駄なシーンがなく最初から最後まで楽しく観ることが出来ます。インド映画にしては歌も踊りも少な目で抵抗がある人でも観やすいと思います。
音楽や色彩の華やかさにストーリーも良く、社会構造に振り回されながらも、今の自分を生きていく登場人物達が魅力的で喜怒哀楽の表現がはっきりしているので、直に心にひびいてくる。笑ったり泣いたり考えさせられる、色んなものを詰め込んでいるが綺麗にまとまっている、そんな魅力ある作品です。
まとめ(評価とおすすめ度)
タイトル | 評価★ | おすすめ度 |
【ハートストーン】 | ★3.8 | 82 |
【彼の見つめる先に】 | ★4.0 | 83 |
【ウォールフラワー】 | ★3.8 | 84 |
【mid90s ミッドナインティーズ】 | ★4.0 | 80 |
【きっと、うまくいく】 | ★4.3 | 88 |
全作品、誰もが共感しやすい内容なので比較的観やすい作品だと思います。
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