今回ご紹介する作品は【WEEKEND ウィークエンド】【キャロル】【アデル、ブルーは熱い色】【ブロークバック・マウンテン】【君の名前で僕を呼んで】の5作品をネタバレしない程度に紹介します。
作中、同性愛者の人が異性愛者の人達をストレートと言っていたのに違和感を覚え、ノーマルって言うんちゃうの?って思ったけど、その違和感自体が無意識な差別なんだと気づかされました。異性愛が普通だという考えは捨てないといけませんね。
【WEEKEND ウィークエンド】(2011)
評価★3.9 おすすめ度80

監督:アンドリュー・ヘイ 脚本:アンドリュー・ヘイ
出演者:トム・カレン、クリス・ニュー
ストーリー
ライフガードとして働くラッセルとアーティスト志望のグレン。とある金曜の夜、ラッセルは一夜の相手を求めてクラブに立ち寄りグレンを誘い出すことに成功。2人は愛を交わし束の間の幸せを味わうが、土曜の夕方にラッセルはある事実をグレンから告げられる。
解説
週末のたった2日間しか一緒に過ごしていないのに、彼らが共にした濃密な時間を同じように感じることのできる映画。自分自身もゲイだと公言している監督だからこそ繊細な表現が出来ている作品だと思います。
男性同士の行為は少し生々しいですが…そんなところまでリアルに…。
ゲイの急進派と穏健派のラブストーリーですが、対局に位置する二人が真ん中まで歩み寄ることがパートナシップの始まりなのだと、行動で暗示するクライマックスがとてもいいです。たった数日間の出会いで、お互いの心の深い部分で分かり合えて、かけがえのない関係性を築くことのできた二人を羨ましいと思えるそんな作品です。
【キャロル】(2015)
評価★3.8 おすすめ度85

監督:トッド・ヘインズ 脚本:フィリス・ナジー
出演者:ケイト・ブランシェット、ルーニー・マーラ、カイル・チャンドラー、サラ・ポールソン、ジェイク・レイシー、ジョン・マガロ、コーリー・マイケル・スミス、ケヴィン・クローリー、Nik Pajic、キャリー・ブラウンスタイン、トレント・ロウランド
ストーリー
1952年、クリスマスシーズンのニューヨーク。高級百貨店でアルバイトするテレーズは優雅な女性客キャロルに目を奪われ、憧れる。そして後日、ふとした成り行きでキャロルにランチに誘われ、彼女が愛のない結婚生活に終止符を打とうとしているのを知る…。
解説
まだLGBTが精神疾患として扱われていたとても悲しい時代、1950年代のファッション、音楽、しっとりとしたクラシックな空気感がとても情緒ある映画。
ケイト・ブランシェットの知的で洗練された佇まいや所作、そして吐息を多く含んだ低く艶のある声、色っぽい大人の女性とルーニー・マーラは、まさに天使、無垢で純粋な少女のような、二人の女性の美しい恋。
全ての画角が美しく、どこか哀愁さを漂わせるフィルムにシックな音楽、映画としても綺麗に収まっているのにストーリー全体に切なさが滲みだします。
二人が劇中で交わす視線や、静かなシーンで感じる息づかい、どれを取っても素敵すぎてこの映画と二人の虜になります。うっとりするような綺麗な2時間で、この2人でなきゃ成り立たない作品だと思います。
【アデル、ブルーは熱い色】(2013)
評価★3.8 おすすめ度84

監督:アブデラティフ・ケシシュ 脚本:ガーリア・ラクロワ、アブデラティフ・ケシシュ
出演者:レア・セドゥ、アデル・エグザルコプロス、サリム・ケシュシュ、モナ・ヴァルラヴェン、ジェレミー・ラユルト、アルマ・ホドロフスキー、オーレリアン・ルコワン、カトリーヌ・サレ、ファニー・モラン、バンジャマン・シクスー、サンドール・フンテク
ストーリー
上級生とのデートに向かう途中、青い髪をした女性に心を奪われたアデル。その女性・エマとバーで再会したアデルは、会話を交わすうちに急速にエマに惹かれていき、彼女とつき合うことに。しかし、パーティで他の女性と親密に話す姿を見て、疑いを深めていく。
解説
主人公役のアデル・エグザルコプロスの素朴な女の子を表現する細かな表情の演技力はさることながら、恋人役のエマを演じたレア・セドゥの異質と言って良いほどの魅力的な存在感はまさに圧巻。無駄な演出などなく、変に音楽で盛り上げる事もなく淡々と日常をカットしていく映画だからこそ、キャストの魅力が存分に味わえた作品だと思います。
濃厚な性描写もですが、食事のシーンだったり睡眠のシーンだったり、野性的な人間の本能に近い部分を描写している感じがあります。抗うことのできない野生的で本能的な恋なんだと思います。
3時間と長尺ですが、フランス映画らしく、頑張ってテンションを上げなくても観てられるしっとりとした安心感がある、繊細な描写で描かれ映し出される2人の目に釘付けになるそんな作品です。そして結構エロい。
【ブロークバック・マウンテン】(2005)
評価★3.8 おすすめ度82

監督:アン・リー 脚本:ラリー・マクマートリー、ダイアナ・オサナ
出演者:ヒース・レジャー、ジェイク・ギレンホール、ミシェル・ウィリアムズ、アン・ハサウェイ、ランディ・クエイド、リンダ・カーデリーニ、アンナ・ファリス、スコット・マイケル・キャンベル、ケイト・マーラ、マーティ・アントニーニ、グレアム・ベッケル、ピーター・マクロビー
ストーリー
1963年のワイオミング。ブロークバック・マウンテンの農牧場に季節労働者として雇われた、寡黙なイニスと天衣無縫なジャック。羊の放牧管理を任されたふたりは、大自然の中で一緒に過ごしながら深い絆を育むが、いつしかそれは友情を超えたものに変わり…。
解説
世界的に同性愛が世間に認知されず迫害を受ける時代、一線を越えてしまった二人の苦悩を描く映画。年月が経って、お互い結婚して家庭を持っても、強く惹かれ合う二人。それなのに世間には隠さなければならないという同性愛の苦悩が伝わってきます。
ヒース・レジャーは本当に死が惜しまれるほど素晴らしい演技で、共演のジェイク・ギレンホール、アン・ハサウェイ、ミシェル・ウィリアムスもまた、少ない台詞で難しい感情表現をそれぞれの立場で何とも言えない切なさと、体当たりな演技で魅せてくれています。
劇中で明確に言及されてはないけども、映画の中でそれらを想起させる細かい演出や芝居を見せることで、各キャラの心情や葛藤がより深く見えてくる。そういう風に見ているものに想像させたり考えさせてくれる余地がある映画は本当に面白いです。
【君の名前で僕を呼んで】(2017)
評価★4.0 おすすめ度85

監督:ルカ・グァダニーノ 脚本:ジェームズ・アイヴォリー
出演者:ティモシー・シャラメ、アーミー・ハマー、マイケル・スタールバーグ、アミラ・カサール、エステール・ガレル、ヴィクトワール・デュボワ
ストーリー
1983年夏、北イタリアの避暑地。17歳のエリオは、アメリカからきた大学院生・オリヴァーと出会う。はじめは彼の態度に反発を感じるエリオだったが、まるで磁石に引かれるように少しずつ距離が縮まっていく。だが夏の終わりと共にオリヴァーの去る日が近づく。
解説
水の匂い、夏の日差し、布の感触、裸足で踏む草の冷たさ、いろんな感覚がダイレクトそして自然に自身が体感しているかのような映像美が味わえます。タイプの違う二人のイケメンの主役に風景も相まって、ずっとひたすらに映像が美しい作品。
序盤は快晴のシーンが多く、徐々に曇りや、夕方、夜のシーンが増えていくのも、2人の関係性の深まりや夏の終わりを感じさせています。セリフが多くない作品なので、演者の間合いや目線、ちょっとした仕草に想いがつたわって、繊細で絶妙な演技が見事です。
音楽も映像も全てが綺麗で、家族共々みんな温かくて、時間がゆっくり流れてるからすごく穏やかな気分になれる作品です。
まとめ(評価とおすすめ度)
タイトル | 評価★ | おすすめ度 |
【WEEKEND ウィークエンド】 | ★3.9 | 80 |
【キャロル】 | ★3.8 | 85 |
【アデル、ブルーは熱い色】 | ★3.8 | 84 |
【ブロークバック・マウンテン】 | ★3.8 | 82 |
【君の名前で僕を呼んで】 | ★4.0 | 85 |
【WEEKEND ウィークエンド】【アデル、ブルーは熱い色】は生々しい濡れ場がめちゃ多いので注意。あとは程々です。
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