今回ご紹介する作品は【プリズナーズ】【ウインド・リバー】【手紙は憶えている】【ルーム】【スリー・ビルボード】の5作品をネタバレしない程度に紹介します。
サスペンスとは、ある状況に対して不安や緊張を抱いた不安定な心理、またそのような心理状態が続く様を描いた作品をいう。また、その作品に対しての興味と関心を持続させる事ができる作品もサスペンスといわれる事が多い。
【プリズナーズ】(2013)
評価★3.9 おすすめ度87

監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ 脚本:アーロン・グジコウスキ
出演者:ヒュー・ジャックマン、ジェイク・ギレンホール、ヴィオラ・デイヴィス、マリア・ベロ、テレンス・ハワード、メリッサ・レオ、ポール・ダノ、ディラン・ミネット、ゾーイ・ソウル、エリン・ゲラシモヴィッチ、デヴィッド・ダストマルチャン
ストーリー
ペンシルベニア州の田舎町。感謝祭の日、工務店を営むケラーの6歳の娘が、親友と外出したまま姿を消す。警察は容疑者青年アレックスを拘束するが、物証を得られず釈放。ロキ刑事の生ぬるい対応にいら立つケラーは、アレックスを監禁して自白を強要する…。
解説
ヒュー・ジャックマン、ジェイク・ギレンホール、ポール・ダノ、三者三様のとんでもない怪演が見れる終始不穏な空気の流れる重厚なサスペンス。
キリスト教に関係したストーリーで、大きく3人視点で分けられる。それぞれの視点から見て考察していくと伏線とその回収が素晴らしいです。宗教知識がなくて分からない部分があったとしても、十分に浸かれるくらい濃厚で精密な映画になっていると思います。
点と点が繋がっていく過程が人間模様も含めて見応えがあり、終わり方も個人的に好きです。二時間半と長尺ですが、始まりから終わりまでずっと緊張感を保ったまま先が読めない展開で、全く飽きることのなく観れる作品でした。
【ウインド・リバー】(2017)
評価★3.8 おすすめ度85

監督:テイラー・シェリダン 脚本:テイラー・シェリダン
出演者:ジェレミー・レナー、エリザベス・オルセン、ジョン・バーンサル、ギル・バーミンガム、マーティン・センズメアー、ジュリア・ジョーンズ、グラハム・グリーン、マシュー・デル・ネグロ、イアン・ボーエン、エリック・ラング、ヒュー・ディロン、ブレイク・ロビンス
ストーリー
アメリカ中西部・ワイオミング州にあるネイティブアメリカンの保留地、ウインド・リバー。雪深いこの地で殺人事件が発生し、FBIの女性捜査官、ジェーン・バナーは地元のハンター、コリー・ランバートの協力のもと、捜査を開始するが…。
解説
アメリカ社会でうごめくレイシズム。人里から切り離され極めて閉鎖的な地域への居住を余儀なくされる先住民たち。その彼ら、彼女らから搾取する忌まわしき存在として白人が描かれている本作。
ネイティブアメリカンに関するドキュメンタリーに近い殺人譚。実話に基づいた話だと思うと胸糞悪いですが、主人公のジェレミー・レナーの男臭さがかっこよくて、少しだけスカッとさせてくれます。
地獄のような状況下の中でも、女性は強いと教えてくれ、現代アメリカの抱える闇を提示して終わり、多くの余韻を残していく作品だと思います。
【手紙は憶えている】(2015)
評価★3.8 おすすめ度84

監督:アトム・エゴヤン 脚本:ベンジャミン・オーガスト
出演者:クリストファー・プラマー、ブルーノ・ガンツ、ユルゲン・プロフノウ、ヘンリー・ツェーニー、ディーン・ノリス、マーティン・ランドー、ナタリー・クリル、ジェイムス・ケイド
ストーリー
妻の死も忘れるほど物忘れが進んだ老人・ゼヴ。ある日、彼は友人のマックスから手紙を託される。ゼヴとマックスはアウシュヴィッツ収容所の生存者で、家族をナチス兵に殺されていた。今も生存しているというその兵士に復讐すべく、ゼヴは一人で旅立つが…。
解説
妻を亡くし認知症を患った老人が手紙を頼りに進む復讐劇で90分で楽しめる上質なサスペンス。
ヨボヨボした老人のゆっくりとした足取りなのにテンポよくお話は進みます。最初から最後まで出てくる人がほぼ老人だからって油断していると、見事に脚本の手のひらの上で転がされると思います。
旅が始まってから徐々に背景が明らかになってくので時間の経過と共にどんどん引き込まれ、後半から雲行きが怪しくなってサスペンス色が強くなります。お爺さんの旅の危うさにハラハラしつつ、ラストはしっかり衝撃的。とても楽しめる作品だと思います。
【ルーム】(2015)
評価★3.9 おすすめ度87

監督:レニー・アブラハムソン 脚本:エマ・ドナヒュー 原作:エマ・ドナヒュー
出演者:ブリー・ラーソン、ジョーン・アレン、ウィリアム・H・メイシー、ジェイコブ・トレンブレイ、アマンダ・ブルジェル、ミーガン・パーク、ショーン・ブリジャース、キャス・アンヴァー、ケイト・ドラモンド、ジャスティン・マダー、ジャック・フルトン、シャンテル・ジョング、ジョー・ピングー、ランダル・エドワーズ、トム・マッカムス
ストーリー
7年もの間、納屋に閉じ込められている母・ジョイと息子のジャック。5歳の誕生日を迎えたジャックに本当の世界を見せるため、ジョイは脱出計画を図る。脱出劇が失敗しかける中、2人はやっとの思いで外の世界へ出るが、予想外の出来事が待ち受けていた…。
解説
二人の親子の閉じて込められていた時の世界と、外に出てきた時の世界のストーリー。実際にあった事件を参考に作られたお話。
ジャック役のジェイコブ・トレンブレイが大人でも難しそうな役をすごくリアルに演じているのが、この映画最大の魅力かもしれません。母と子メインの2人の演技が本当にすごいので、リアルで細やかな感情とかも、ひしひしと伝わってきます。
監禁事件から抜け出して一件落着というわけではなく、その後の苦悩や生活について、辛辣ながらも丁重に描いている。単純でご都合主義な展開にならないのがリアルで全体的に暗い作品ですが、親子愛とは一言では言えない色んなものが詰まった良い作品だと思います。
【スリー・ビルボード】(2017)
評価★4.0 おすすめ度88

監督:マーティン・マクドナー 脚本:マーティン・マクドナー
出演者:フランシス・マクドーマンド、ウディ・ハレルソン、サム・ロックウェル、アビー・コーニッシュ、ジョン・ホークス、ピーター・ディンクレイジ、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、ケリー・コンドン、キャスリン・ニュートン、ジェリコ・イヴァネク、ルーカス・ヘッジズ、クラーク・ピータース、サマラ・ウィーヴィング、ニック・サーシー、サンディ・マーティン、ブレンダン・セクストン三世
ストーリー
アメリカ・ミズーリ州の田舎町。道路に並ぶ3枚の広告看板には、地元警察への批判メッセージが書かれていた。何者かに娘を殺されたミルドレッドが、進展のない捜査状況に腹を立てて設置したのだ。彼女は警察や町の人々から抗議を受けるが、一歩も引かず…。
解説
クライムサスペンス風ヒューマンドラマみたいな感じで、看板から発展していく展開がどれもジワジワと心に響く作品です。
同じ方向から見ていただけでは気づけない人の色んな側面を見せてくれる映画。ストーリーよりも登場人物のキャラに重きがあり、決して綺麗にはまとまらない生臭い人間たちの思考、行動がこの映画の最大の魅力です。その生臭さを徹底して表現しきるキャストたちの演技に拍手を送りたいです。
真犯人が誰なのかよりも、登場人物のキャラが変化していく様子を楽しむ、とてもユニークな作品です。観終わったら色々な考察サイトを見てほしいです。隅から隅まで作り込まれた、かなり完成度の高い作品だと思います。
まとめ(評価とおすすめ度)
タイトル | 評価★ | おすすめ度 |
【プリズナーズ】 | ★3.9 | 87 |
【ウインド・リバー】 | ★3.8 | 85 |
【手紙は憶えている】 | ★3.8 | 84 |
【ルーム】 | ★3.9 | 87 |
【スリー・ビルボード】 | ★4.0 | 88 |
間違いなく全作面白いです。【ルーム】【スリー・ビルボード】は少しサスペンス色は薄目となっております。
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